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12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
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印刷2007/12/10 18:48

プレイレポート

12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載

元祖箱庭系シム,18年めにして行われる大胆な方針転換


画像集#015のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
 12月20日にエレクトロニック・アーツより発売される都市開発シミュレーション「シムシティ ソサエティーズ」(以下,ソサエティーズ)。いうまでもなく,箱庭ゲームの元祖と言えるシムシティシリーズの最新作である。シムシティはコンシューマ機から携帯ゲーム機,携帯電話にまで移植されているという超ポピュラーなタイトル。もはや日本人でシムシティを知らない人はいないといっても過言ではない気がするが,ちょっぴり過言だったかもしれないと思ってドキドキしてしまうほどのシリーズというわけだ。

 というわけで,「シムシティ4」から4年ぶりに登場するシムシティ最新作。ファンの中には発売を楽しみに待っている人も多いはずだが,今回,そんなソサエティーズを事前にプレイできたので,そのファースト・インプレッションを取り急ぎお届けしようと思う。完全日本語版なので,ゲーム中のテキストはすべて日本語表示になっており,日本語しか理解できない(私のことである)という人でも安心だ。

 ソサエティーズについては当サイトでも多くの記事を掲載してきているが,やはり気になるのは2007年7月12日の記事でお伝えしているように,シムシティの生みの親でもあるウィル・ライト氏やSim Division(旧Maxis)が制作にノータッチであり,代わって「Immortal Cities: Children of the Nile」「Caesar IV」など,シムシティに似た箱庭系ゲームを開発してきた,Tilted Mill Entertainmentが開発を担当している部分だろう。

 Tilted Millは,開発当初「シムシティのゲーム性を根底から変化させる」などとファンにとっての爆弾発言をしており,筆者はどんな風に根底から変化するのか楽しみ半分,不安半分な気持ちで登場を待っていたのである。

 実際にソサエティーズをプレイした感想をズバリ言わせていただくと,ちょっとどころじゃなく激変しているじゃないか! といったところ。まさしく「シムシティのゲーム性を根底から変化させる」に相応しいほどの変わりっぷりに,海外での反応(現在,やや批判的な意見が多い)も分かる気がした次第である。なんとなく懐かしの「シムタウン」に似ているような気もする。ところでシムタウンって,知ってます?

画像集#001のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
都市開発シムの元祖というか本家というかのシムシティも,今回ついにフル3D化され,作り上げた都市を自由な角度で眺められる
画像集#002のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
マップ表示ボタン(画面左端の並んだアイコン)で必要な情報をマップ上に表示し,つねに知りたい情報をマップ中に出し続けておける
画像集#003のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
娯楽施設ではお金を払ってセレブを呼んだり,一般的なシムを泥棒やカルト教団員,フーリガンなどに変化させたりできる
画像集#004のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
以前よりもググッと拡大できるので,それぞれのシムの行動が眺められる。特定のヤツの行動を観察するのも楽しい

社会的価値を操って,自分好みの街を作り上げよう


画像集#014のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
 さて,気になるのは「どのへんが変わったのか?」というところだと思うが,実際問題,変更点を書いていくとキリがないので,とりあえず今回は,どんな風に都市を作っていくのかという部分を見てもらおう。シムシティシリーズをご存じの方なら都市作りの違いを分かってもらえるはずだ。ご存じでない方もぜひ,「ははあ,なるほど」と納得してほしい。

 これまでのシムシティでは,住宅(Residence),商業(Commerce),工業(Industry)それぞれの区画を配置すると,その区画の中に勝手に家や工場などが建設されていった。プレイヤーの都市運営に応じて建物が改築されたり,区画一帯が廃墟になってしまったりと,プレイの経過と共に区画内の建物が頻繁に変化していくため,都市の発展や衰えがイヤでも感じられたのだ。しかし,ソサエティーズでは区画という概念がバッサリと排除されており,住宅から職場,お店などを含めたすべての建築物をプレイヤーがダイレクトに建てられるようになった。
 というわけで,とりあえずはリストにある建物から,これが要りそう,あれが楽しそうというものを選び,更地に次々と置いていけばいいのである。いいのであるが,それだけでは自分好みの街を作ることはできない仕掛けがある。

 ソサエティーズで新たに登場したのが,工業財産創造信仰服従知識の六種類からなる「社会的価値」というパラメータだ。社会的価値とは都市の基礎となる特徴を示すもので,例えば,高い生産性を持ち,裕福な暮らしが送れる都市を作りたければ工業のパラメータを持つ建物を多く建てていけばよい。仕事よりも芸術的な自己表現を楽しむ都市にするのなら,創造のパラメータを持つ建物を多く建てると,それらを求めるシム(市民)どもが都市で生活を始めることになる。
 登場するすべての建物や装飾品などのアイテムは,必ず一種類以上の社会的価値を持っており,それらを適宜配置することで社会的価値が生産または消費される仕組みなのだ。それぞれの社会的価値は数値で管理されていて,例えば創造を八つ生産する壁画を三つ都市に配置すると創造の累積は24となるため,創造を一つ消費するコテージを4軒建てても,ほかに創造を20消費するだけのアイテムが配置できるというわけ。お分かりですか? もし,社会的価値が不足している場合はアイテムが機能しないため,社会的価値を生産するアイテムを配置して不足分を補えばよいのだ。

 一つの社会的価値に重点をおいた都市作りも可能だが,やはり,一つの社会的価値だけでシムたちが快適に過ごせる都市は作れない。創造を重視した都市の中にも治安を守る警察(服従の社会的価値を持つ)は必要だし,勉学のために学校(同じく知識)も必要になる。そのため,自然とさまざまな社会的価値を同じ都市の中に共存させていかなくてはならなくなる。そして,権威や圧政が大好きで服従したがるシム(そんなのがいるのである)は自由奔放に生きて創造を求めるシム達と対立したりするのだ。
 基本的に,そうした6種類のパラメータの相関関係を考慮して都市作りをしていくわけである。かつてのシムシティでは,都市の価値を決めるのは住民だった。住民の要望を的確かつ迅速に叶え,都市を発展させていくゲームだったのだが,ソサエティーズで都市の価値を決めるのはプレイヤーであり,その方向性が好きな住民をより多く集めていくというコペルニクス的転回が図られているのである。

画像集#005のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
都市には時間帯や天候の変化が再現されており,日の出や日没時,ビルの影が長くなるといったイカした演出が個人的に大好きだ。昼間よりも夜のほうが活力がある都市作りも面白い
画像集#006のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
最初から建設できるアイテムはほんの一部で,条件を満たしていくことで利用できるものがほとんどだ。条件をクリアして新しいアイテムを次々に入手していこう
画像集#007のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
情報カードで都市の内情を確認する。細かく資金繰りを考えたりする面倒さのない,お子様でも楽しめるような遊び心のある都市開発シムだと思う
画像集#008のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
火の手の上がりやすい工場以外でも自然火災や放火魔(特殊シム)による火災が起こる。ちなみに地震などの大規模災害は故意に起こさなければ発生しない

さまざまな新要素は,
シリーズのマイルストーンになるのか?


画像集#017のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
 とまぁ,こんな感じでソサエティーズは社会的価値を生産,消費するアイテムを配置して都市を作っていくゲームなんだなというのは分かっていただけただろう。

 筆者はソサエティーズをプレイして日が浅いためか,社会的価値の違いがシムや都市に与える影響などが十分に理解できていない(感じられない)気がする。というのも,最初は創造を重視した都市にしようと意気込んで都市開発をしたものの,途中からは社会的価値などまったく考えず気の向くままに「秘密警察本部を建てよう」「服従が少ないから,服従を生産する装飾品を適当に配置すればいいや」なんて進めてきてしまったのだが,そんないい加減な都市作りにもかかわらず人口は順調に増え続け,シム達がわーわー生活している次第である。
 たぶん一番簡単なモードでプレイしたせいだとは思うが,ソサエティーズでは“都市の発展を目指す”というゲームっぽい部分は後退し,代わって自分の好きな個性ある都市を作り上げ,いろんな角度から眺めて愛でるという内容にシフトした印象。ディテール豊かで個性的な建物のグラフィックスや,時間によって変わる都市の表情などもその方向性を後押ししているように感じられる。

 先にも書いたが,先に発売された海外版の反応にはなかなか厳しいものもあり「これはシムシティではない」なんて意見も見られる。確かにシムシティ4など,過去のシムシティシリーズをプレイした人が見ればそう思うかもしれない。発電所はマップ内に建てるだけで送電線を引かなくても送電してくれるし,水道管は引く必要はないし,電車は走らせられないし,税金や公共施設の資金設定も必要ない……。こんな感じなので,シムシティの熱烈プレイヤーは「むむむ!」となるはずである。
 だが,シムシティではなく新しい都市開発シムだという視点から見れば,評価は変わってくるかもしない。そもそも「美しく電線を引く」必要があったのかどうか,ということである。それほど変わったこのソサエティーズなわけだが,そのあたりを含めた詳しいことはレビュー記事でお届けしようと思うので,ぜひお楽しみに。

画像集#009のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
従来作にも発電所や工場,自動車などによる「公害」の概念はあったものの,ソサエティーズでは地球環境問題が重要なテーマの一つ
画像集#010のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
ソサエティーズの視界はこれまでのシリーズと比べると狭い。最大までカメラを引いてもこの写真程度の範囲までしか見わたせないのだ
画像集#011のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
条件を満たすことでメダルやトロフィーがもらえる。トロフィーを獲得すると特別な建物を建てられるようになるので,すべてゲットしよう
画像集#012のサムネイル/12月20日発売予定,「シムシティ ソサエティーズ」のファーストインプレッションを掲載
作り上げた都市を災害などで破壊するのも本作の醍醐味。流星群,地震,嵐といった大災害を発生させられる(自然発生はしない)
  • 関連タイトル:

    シムシティ ソサエティーズ

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