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[COMPUTEX 2007#07]PCI Express x16 ×4をサポートする「AMD 790X」マザーが公開される
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AMD 790Xチップセットに関しては,会場取材をもう少し進めてからあらためてまとめてみたいと思うが,ざっくり説明すると,主に以下に挙げる二つの特徴を持つチップセットだ。
- AMDの次世代CPU「Phenom」とHyperTransport 3.0をサポート
- PCI Express Gen2対応
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以下,Hall 2で見つけたGIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GBT),ASUSTeK Computer(以下,ASUSTeK),MSI計3社のAMD 790X搭載マザーボードを,筆者が取材した順に紹介してみたい。
■4連のPCIe x16スロットを装備する
■GBT「GA-M790-DQ6」
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スロットが4連なので,Quad CrossFireを利用するには,1スロット仕様のグラフィックスカードでなければならないが,マザーボード自体は(GPUクーラーが2スロット仕様の)「ATI Radeon HD 2900 XT」のQuad CrossFireも可能とのこと。「ATI Radeon HD 2600 XT」を搭載する同社製グラフィックスカードの新製品「GV-RX26T256H」を4枚差しした状態での展示も行われていたが,「Quad CrossFireがいつサポートされるかは分からない。どのようにNative CrossFireケーブルを接続するかも現時点では聞いていない」(Lee氏)とのことだった。
■“メモリモジュールを冷やすヒートパイプ”を
■搭載するASUSTeK「M2A32-MVP Deluxe」
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ASUS Cool Mempipeは,メモリモジュールの熱をヒートパイプで別の場所へ送る仕組みで,ネジ留めする仕様のため,ヒートスプレッダのあるなしに関わらず取り付けられる銅板でメモリモジュールを挟み込むと,その熱は電源部のヒートスプレッダへ運ばれ,CPUクーラーのエアフローで効率的に冷却できるという。
2007年5月25に「R.O.G.」シリーズの新作を日本で公開したASUSTeKのDerek Yu氏によれば,同製品は2007年7月下旬の発売を目指しているとのこと。
ところで,せっかくYu氏と話をするチャンスが得られたので,AMD 790XベースのR.O.G.シリーズ新作について聞いてみたところ,「CPU(※Phenomのこと)もないので,全体のパフォーマンスを評価できる状態ではない。R.O.G.シリーズで投入するかどうかは,これから検討することになる」という。Quad CrossFireも含めて,結論が出るにはまだ時間がかかりそうだ。
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■リファレンスデザイン似のボードに
■CIRCU-PIPEを搭載したMSI「K9A2 Platinum」
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PCI Express x16スロットが“1本飛ばし”でレイアウトされたデザインはリファレンスデザインに近いが,独自のヒートパイプ式冷却機構「CIRCU-PIPE」を採用することで,MSIらしさが強調されている。なお,MSIの説明によると「4本のPCI Express x16スロットはすべてフルスペックのx16で動作する」とのことだったが,これは前述のとおり,「Gen1相当では」という意味だろう。
以上,発売予定時期がASUSTeKだけやたらと早いのは気になったものの,いずれもなかなか興味深い製品といえる。Quad CrossFireがサポートされたり,そのパフォーマンスが期待どおりだったりすると,さらに面白くなりそうで,AMD 790Xというチップセットの名前は,Quad CrossFireとセットで憶えておくといいかもしれない。(佐々山薫郁)
- 関連タイトル:
AMD 7
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