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「Fallout」シリーズ最新作のものと思われていたサイト,「TheSurvivor2299.com」は結局フェイク。壮大ないたずらの最後は「これでおしまい」
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印刷2013/12/07 16:30

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「Fallout」シリーズ最新作のものと思われていたサイト,「TheSurvivor2299.com」は結局フェイク。壮大ないたずらの最後は「これでおしまい」

 「Fallout」シリーズ最新作のティザーサイトと思われていた「TheSurvivor2299.com」が,結局フェイクであることが明らかになった。トップページには,サイト制作者による「みんな,これでおしまい」(That's All Folks)という言葉が書き込みまれている。
 北米時間の12月11日に予定されていたカウントダウンの終了まで,なぜこの嘘を継続しなかったのかなどは語られていないものの,これまで数々の難解な謎解きを行ってきたゲーマー向け掲示板「Reddit」に対しては感謝を意を表している。

画像集#001のサムネイル/「Fallout」シリーズ最新作のものと思われていたサイト,「TheSurvivor2299.com」は結局フェイク。壮大ないたずらの最後は「これでおしまい」

「TheSurvivor2299.com」


 2013年12月6日に掲載した記事でも紹介したように,「TheSurvivor2299.com」は,11月14日に存在が発見されて以来,モールス信号や暗号文,アートワーク,ファイル名,そして隠しサイトなどを巧みに利用したヒントを発信し続けてきた。「Fallout最新作の舞台になる」と以前から噂されていたボストン周辺の地名を織り交ぜたり,「Fallout 3」のキャラクターを登場させることで,いかにも信用できそうな話を作り出し,多くのFalloutファンを盛り上げてきた。

 トップページには「嫌いになるなら,Bethesdaじゃなくてボクを嫌って。それだけのことさ。ボクだって,早くFallout 4が制作発表されればと願っているんだ」と書かれており,制作を一人で行っていたことが想像できる。
 あるFalloutコミュニティのFacebookページには,制作者と思われる人物が「もう飽きてきた」などと書き込み,最後のメッセージが掲載される直前には「Fallout 3」のキャラクターを使った「Tunnel Snakes Rules!」というムービーが掲載されるなどしていた(現在は違うムービーがリンクされている)。

 当然ながら,拍子抜けした人も多いようで,Bethesda Softworksの広報担当者としておなじみのピート・ハインズ(Pete Hines)氏に向けて「なぜ,これまで嘘かどうかを教えてくれなかったんだ」とTwitterに書き込むことでBethesda側が沈黙を保ってきたことに対する不満を表すファンもいる。
 さらに,フェイクサイトとは無関係であるにも関わらず,「Tunnel Snakes Rules!」の制作者,Elevated Level氏に対する悪意あるコメントも増えており,こうしたファンへのいらだちからか,「TheSurvivor2299.com」の制作者が意地悪なアートワークを追加したりもしている。

 ハインズ氏は,「どんなに巧みなフェイクサイトでも,我々はファンによる噂や予想の一つとして扱うだけ」と,批判には取り合わない様子だが,フェイクサイトであることが判明してからはハインズ氏の書き込みも急増しており,ファンの批判にきっちり対応を続けながらも,「広報ってのは“肉の盾”だからね」と,やや自虐的なコメントを残している。
 個人的には,フェイクサイトが生み出した謎解きにファンが夢中になっている最中に,「あれはニセ物だから,信じないように」などと公式発表すれば,それはそれで「ジョークの分からないBethesda」という批判を受けたかもしれないという気もする。なんとも難しいところだ。

 「TheSurvivor2299.com」は,制作者のFalloutシリーズに対する造詣の深さと,知的な謎解きの数々から,ゲームの歴史に残る壮大ないたずらとしてファンの胸に刻み付けられることになるだろう。制作者も制作者なら,普通なら投げ出しそうな難解なモールス信号に取り組むRedditの濃過ぎるファン達もファン達であり,改めて北米ゲーム市場の層の厚さを感じられずにはいられない一件になった。
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