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極私的コンシューマゲームセレクション:第12回「セインツ・ロウ」
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印刷2007/08/24 23:59

連載

極私的コンシューマゲームセレクション:第12回「セインツ・ロウ」


» 4Gamerの編集部スタッフ達が,趣味でプレイしているコンシューマゲーム機のタイトルを紹介する本コーナー。第12回は,CEROレーティングZ指定のゲームばっかりプレイしている気がするKawamuraが,Xbox 360の「セインツ・ロウ」を紹介する。



※このゲームは「CERO: Z 18才以上対象」です

■街中で銃を撃ちまくり,悪い仕事を次々と成功させ
■ギャングとしてのし上がっていくクライムアクション


 海外では2006年8月,日本語版は2007年6月21日に発売された,THQのクライムアクションゲーム「セインツ・ロウ」。突然だが最初にハッキリ言っておくしかない。このゲーム,「Grand Theft Auto:San Andreas」(以下,GTA: SA)にとてもよく似ている。
 ストリートギャング同士の抗争がテーマで,オープンワールドで街が丸ごと用意されている本作では,奪った車で暴走し,街中で銃を撃ちまくり,悪い仕事を次々と成功させ,ギャングとしてのし上がっていくのが目標だ。“GTAタイプのゲーム”は今では数多くあるが,それにしても本作がコンセプトでGTA: SAをハッキリお手本としているのは,ほぼ間違いない。

オープニングより。もう展開が急すぎて大変


 さて,ではどこが違うのか。見た目がキレイ,マルチプレイ機能がある,などの具体的な違いもあるが,個人的に一番気に入っている違いは「遊びやすくなっている」という点である。編集部の松本みたいなHIPHOP育ちのギャングスターに言わせれば,「ヘイメーンGTA: SAのどこが難しいんだメーン?」ということらしいが,私のように善良な人となりの小市民には,あのゲームは“なんでもできすぎて困る”のである。
 その点,セインツ・ロウは比較的こじんまりキレイにまとまっており,次にどこで何をやればいいのかも手に取るように分かる仕組みで,ついでに車の運転や銃撃戦もシビアすぎず,実に遊びやすい。大好きである。GTA: SAを泣く泣く途中で断念した私も,これなら最後まで遊べそうである(まだ最後までクリアしてない)。

 さて今回は,先にサラッとゲームを紹介して,後半は思う存分ギャングギャグを連発しようと思っていたのだが,ゲーム紹介が膨大になってしまったことと,ギャングギャグが思いつかなかったことが原因で,単にセインツロウをじっくり紹介する記事になってしまった。このへんがGTAと似てるとか違ってるとか,主に筆者が大変だからという理由でいちいち指摘しないのでよろしく。あと,お色気が好きなのでお色気も重点的に紹介しているのでよろしく。



■セインツ・ロウの基礎知識

○舞台
 セインツ・ロウの舞台は「スティルウォーター」という街で,たぶん現代のアメリカだ。この街には四つのギャング組織が存在し,敵対している。ひどい街である。主人公はこの四つの組織の一つ「サードストリートセインツ」(紫)の一員として,ギャング的な悪い活躍を目いっぱいして,組織に貢献していく。ワルとはいえ社会の歯車の一つなのである。

○「自分」について
 ゲームはキャラクターメイキングから始まる。ここでメイクできるのは容姿で,主にプレイヤーの感情移入に影響する部分である。メイキングの幅はかなり広いので,自分なりのギャング像というものを今こそ具現化し,自分を恐怖のドン底に叩き落そう。ちなみにゲーム内には,髪型や服装や顔や人種などを変更する施設(お洋服屋さんや散髪屋さんや整形屋さんなど)もある。
 基本操作で主人公ができることは,主に移動と攻撃だ。歩いたり走ったり,パンチやピストルで人を痛めつけたりできる。そしてもう一つ重要なのが,車の乗り降りと運転。ギャングといったら昔から,銃と車が欠かせないのである。

○「車」について
 車は,誰かのものを無理やり奪うのが基本だ。主人公が車道に飛び出すと,良識ある一般のドライバーは手前で停車してくれる。あとはドアを開け,殴って引きずり降ろし,奪い取るだけ。ほら簡単だ。……なんですと! 心が痛む? それは正しい感想であり,その背徳感は,クライムアクションの重要なカタルシスの一つなのである。
 登場する車は実にさまざま。安そうなのから高そうなのまで,普通の大衆車やハイパワーなスポーティカーなどが何十種類もあり,さらにはパトカー/救急車/バス/トレーラーなど,基本的になんでも乗れる。自宅のガレージには何十台と駐車できるので,入手した車をどんどんコレクションしていこう。イイ車に乗るとカッコいいというのが万国共通のステータスらしいので,基本的にはイイ車に乗りたいところである。



■四つの組織が縄張りを奪い合う

○四つの組織
 敵対組織は,昔から地元でサプリ(健康的な響きだが,麻薬のことじゃないかなぁ)を売りさばいているスペイン人マフィアの「ロスカルナレス」(赤),地元のアフリカ系アメリカ人達で結成した「バイスキングス」(黄),もともとはただの暴走族だった「ウエストサイドローラーズ」(青)の三つ。我らがセインツ(紫)は,赤も黄も青も全部スティルウォーターから駆除することを目的とした“反ギャング組織”であり,決して街を牛耳ろうとしているのではないのである。たぶん。

○縄張り
 街は区画ごとに細かく分けられており,これを縄張りとして各組織で奪い合うことになる。主人公が所属するセインツ(紫)の最初の縄張りは,案の定というかなんというか,小さい。簡単に言うと,縄張りを広げていき,最終的にはすべて紫色にするのが目的である。
 しかし,縄張りはたまに敵組織に襲撃されることがある。その場合,最優先で駆けつけねばならない。縄張り内に侵入した敵の「幹部」をすべて殺せば襲撃を退けたことになるが,そうしない限り敵はどこまでも襲い続けてくる。

○四つのシナリオ
 そんなセインツ・ロウのゲーム進行は,シナリオ(ミッション)によって管理されている。ただ車で敵の縄張りに乗り込んでって銃で敵を皆殺し……を繰り返すわけではない。四つの組織にまつわる四つのシナリオがゲーム内に存在しており,縄張りはこのシナリオに沿って広げていくのだ。
 各シナリオは,連続したミッションからなるストーリー仕立てで,つまり4本の物語がゲーム内で展開されていくことになる。それぞれの組織に重要人物がいて,事情というものがあり,そこに血で血をジャブジャブ洗うドラマが生まれるのである。
 ミッションをクリアすると,たまに縄張りが一つ増える。縄張りからは定期的に収入が振り込まれるという寸法なので,もちろん増えれば増えるほど嬉しい。

・サードストリート セインツ(紫)
 主人公の入団テストから始まる,序盤用のシナリオ。セインツのリーダー,ジュリアスの指示に従って,ギャング同士の抗争のなんたるかを叩き込まれる。すべてクリアすれば,ほかの三つのシナリオに挑戦できるようになる。



・ロスカルナレス(赤)
 スペイン人のロペス兄弟が仕切るギャングで,スティルウォーターに昔からいる最古参の組織。コロンビアのシンジケートと結託し,街のみんなの大好物「サプリ」(ドラッグのおもしろ婉曲表現と思われる)を供給し続けてきた。敵のサプリ工場をブッ潰したり,コロンビアンマフィアとの闇取り引きをこっそり邪魔したりといった,80年代アクション映画ばりの戦闘的なミッションが多い。



・バイスキングス(黄)
 ヨーメーン,スペイン野郎ムカつくぜボーシッ! という地元のワル共で結成したギャング。うまいこと仲間内からヒップホップミュージシャンを輩出したのか,レコード会社も持っている。いかにもストリートギャング同士の抗争っぽいシナリオで,ちょい人間ドラマ的なミッションも。基本はドンパチだけど。



・ウエストサイド ローラーズ(青)
 もともとは走り屋の若者達が集うワイルドスピードな暴走族だったが,どうも悪い支援者が現れたらしく,いつしかギャング組織として成長してしまった。とはいえ構成員は本業のギャングほど気合入ってない模様。ミッションは全体的に車がらみで,最初のミッション発生地点がちょっと離れていることもあり,ロスカルナレスやバイスキングスとの抗争とはちょっぴり異質な感じ。



■リスペクトとギャングのお仕事

ギャングらしいお仕事といったら,「どか〜ん」か「いや〜ん」である。これは「どか〜ん」のほう
○リスペクト
 各ミッションには,挑戦に必要な「リスペクト」の値が設定されている。自分のリスペクト値が足りないと,新たなミッションをスタートさせられない。そのため,まずはあの手この手でリスペクトをせっせと溜め,縄張りが襲撃されたら駆けつけ,十分溜まったらいよいよ本番のミッションに挑戦,というのがゲームの大まかな流れになる。
 リスペクトとは,まあ言葉通り“尊敬”というような意味だ。本作では主人公の重要なパラメータの一つで,主人公が大きい仕事を成功させるたびに,この「リスペクト」が上昇する。ヘマすると下降し,陰でディスられることになる。
 ここで重要になってくるのがリスペクトの上げ方(集め方)だ。ミュージシャンならイルなライムのドープなリリックとハンパないフロウスキルで集めりゃいいが,ギャングはギャングらしい仕事でリスペクトをかき集める必要がある。

○アクティビティ
 リスペクトを上げたい場合は,基本的に「アクティビティ」というサブミッションの出番である。アクティビティとは,いわゆる「ギャングらしいお仕事」のことで,成功させるとお金とリスペクトが得られる。
 アクティビティは大きく分けて10種類以上あり,街のあちこちに発生ポイントが存在する。いくつか紹介するが,見てのとおり健全なお仕事ではない。

【スカウト】
エステティシャン(うーん,たぶん娼婦だと思うなー)を敵から奪い,車で連れ帰る。もちろん奪うときは敵と撃ち合いななる

【エスコート】
「客」とエステティシャンを一緒に車に乗せ,目的地まで走る。途中,パパラッチの車が追跡してくるが撮影させてはいけない

【デリバリー】
仕事先を回るドラッグのバイヤーの車に同乗し,ボディガードする。なぜか激しく襲われるので,バイヤーをしっかり守ろう

【破壊】
指定された場所へ行き,そこにいる人を皆殺しにして,そこにある物をブッ壊してくる。一定以上の損害を与えれば任務成功

 アクティビティは11種類ほどだが,発生地点は街のあちらこちらにある。それぞれに異なるイベントシーンが用意されており,これは本作で最も面白い要素の一つなので,全部見ておきたい。

とりあえず各アクティビティ発生ポイントに用意されたイベントを一部紹介。こちらは「いや〜ん」系を多めにしてみました


■GTA: SAがスペシャルすぎて手に負えなかったり
■オープンワールドなクライムアクション好きな人に


 というわけで,偉そうにゲームを紹介してみたものの,まだコツコツと遊び続けている最中である。達成度とか,低すぎてとてもここでは公表できない。ごめんなさい。
 オープニングの展開があまりに急すぎたり,車が妙に運転しやすかったり,Hot Coffeeじゃないけど全体的にほんのりエッチだったり,なんかとにかく面白い。お亡くなりになった人や車がすぐ消えちゃうのは現実味が薄れちゃうので非常に残念だが,GTA: SAがスペシャルすぎて手に負えず悔しい思いをしてしまった人や怖くて手が出せない人,そしてGTAシリーズ以外のオープンワールドなゲームはハズレばっかりだよボーシッ! と思っている人に,こざっぱりと上質にまとまった本作をオススメしたい。


■■Kawamura(4Gamer編集部)■■
PS3とWii以外は,コンシューマゲーム機を一通り持っているというコレクター。ゲームの評価は辛口で,面白くないと思ったらすぐにやめてしまうドライな男でもある。FPS好きの洋ゲー好きで,どんなジャンルも一通りおさえているのだが,「どのジャンルが得意?」と聞くと黙り込んでしまうシャイガイだ。

セインツ・ロウ
対応機種:Xbox 360
メーカー:THQ
発売日:2007年6月21日
価格:7140円(税込)
CEROレーティング:Z(18歳以上対象)
公式サイト:http://gamesites.thqgame.jp/products/SaintsRow/pc/html/age_check.html

(c)2007 THQ Inc. Developed by Volition, Inc. Saints Row, Volition, Inc., THQ and their respective logos are trademarks and/or registered trademarks of THQ Inc. All Rights Reserved. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners.

  • 関連タイトル:

    Saints Row

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