インタビュー
サービス開始から2周年を迎えた「ルーセントハート」に施される次の一手とは? 開発元PlayCooと運営元ガマニア,両社のキーパーソン達に聞いてきた
今後予定されているアップデートの方向性は?
それでは,「Fortis」のさらに先,9月以降のアップデートについて,すでに決定されていることなどがありましたら教えてください。
Rock LIN氏:
9月以降のアップデートに関しては,二つの軸があります,一つは“ペットレース”システムの実装,もう一つは“新職業”の追加です。ペットレースはみんなで楽しめて,コミュニティをサポートできる機能として制作しています。ルーセントハートには多種多様なペットが存在していますので,そちらを利用した遊びは,ずっと追加したいと思っていたものです。
4Gamer:
ペットレースは,“競馬ゲームのようにペットを育てて,レースに出場させたら後は自動的に進む”というものではなく,プレイヤーが騎手になれるシステムなんですね。
廣田氏:
そうです。プレイヤーはペットに乗って,レースではキーボードとマウスを使って操作を行います。ほかのMMORPGにはない楽しみを提供できると考えています。
中島氏:
ルーセントハートが重視するのは,まず“ほしとも”を中心としたコミュニケーションの部分です。みんなで交流をして,横の広がりを作っていけるような内容がほしいと,常に意識しています。ダンスシステムもそういった意図から用意されたものです。ペットレースでも,プレイヤーの皆さんにサプライズを提供できれば嬉しいです。
4Gamer:
新職業についても詳しく教えてください。
新職業で最も注目してもらいたいポイントは“変身”ができるところです。戦士型や魔術師型といったように,いくつかのタイプがあって,それに変身して戦います。そして戦士型に変身したときは“前衛”として活躍できて,魔術師型になったときは“後衛”になれるといったように,役割をスイッチできるんです。ただし,ナイトやウィザードといった“本職”に比べると,役割を果たす能力はやや低めです。ですが,例えばパーティ内にウィザードがいる場合に魔術師型に変身すると,ウィザードの力をサポートできるような能力を発揮できるようになっています。
廣田氏:
新職業には,現段階では「幻影術士」という名前がついていますが,実装する際には変更することになると思います。一つの職業で前衛・後衛・補助職といったように何パターンかの役割をこなせる職業となります。ただ,これまでの2年間で育ててきたキャラクターも皆さんお持ちですので,役割は差別化をしていく予定です。また,新職業は変身すると見た目が大きく変わるのも特徴です。
4Gamer:
ここにコンセプトアートがありますが,プレイヤーがこれそのものに変身してしまうんですね。
廣田氏:
そのとおりです。
4Gamer:
このペットレースと新職業ですが,実装されるのはいつ頃を予定していますか?
廣田氏:
2010年11月を目標に作業を行っています。
4Gamer:
楽しみにしています。それでは,まだ形にはなっていないとは思うのですが,さらにその先の話で,ルーセントハートのアップデートでやってみたいアイデアのようなものがあれば教えてください。
Rock LIN氏:
物をコレクションしていく“収集”の楽しさが味わえるものがあると面白そうです。モンスターやアイテム,NPCなどをカード化して,それを集めていくような感じでしょうか。カードに何か能力のようなものを付加することもできそうですね。
あとはコミュニティ関連,とくに“ほしとも”のシステムに,何かさらに面白い仕掛けを加えられればと考えています。
そのほか,気になった事柄を色々と聞いてみた
4Gamer:
それでは,具体的なアップデートの話ではなく,もう少し大まかな,今後の方向性についてお聞かせください。
中島氏:
ルーセントハートのプレイヤーさんには,“ほしとも”を含めたコミュニティを中心に楽しんでいる方と,ラビリンスなどハードなゲーム性の部分をストイックに突き詰めて楽しむ方がいます。その二極化が激しいのかもしれません。今回の「Fortis」は“縦”への拡張要素が多く含まれたアップデートになりますが,今後はバランス良くアップデートを行っていきたいですね。
先ほども少し話が出ましたが,これからはプレイヤーの皆さんと運営チームとの間にある距離を縮めて,皆さんの声を拾っていくことに力を入れたいと思います。そうすることで,アップデートの方向性も,多くの皆さんが期待しているものと,近いものにできると思います。
4Gamer:
実はプレイヤーの1人としては,「ルーセントハートのアップデートはネタを小出しにしているのではないか?」と感じてしまうこともあるのですが……。
中島氏:
ガマニアのオンラインゲームではこれまで,「3か月に1度くらいの頻度で,中規模なアップデートを入れていく」という基本方針で動いていました。3か月という期間はゲーム開発のスパンとしては短くて,結果,アップデートが“小粒なもの”になってしまうこともままありました。それが“小出し”にしている感じの原因となっていたものだと思います。ですがこれからは少し方針を見直して,もっと大きなアピールができるようなアップデートを行っていきたいと考えています。
4Gamer:
ハッピーパイロットの問題(※)についても聞かせてください。問題が解決して,あの機能が再び使えるようになる日はくるのでしょうか?
※プレイヤーがゲーム内イベントを自分で作成/主催できるハッピーパイロットシステムが,現在ゲーム内で使えない状態になっている件
はい。ご存じのとおり,ハッピーパイロットシステムは導入後に,アイテムが増殖できるというクリティカルな不具合があることが分かり,一時システム自体を止めていました。その後,開発側と協力して,修正をして,再び開放しました。ところが,また同じような問題が発生してしまいました。
現在,不正行為の元となった不具合は,テストサーバー上ではすでに修正されています。ですが,再開放については非常に慎重になっています。当然,運営側としては不具合が出ないように改良を行っているつもりです。ですが,それでも不具合が出てしまったときにどう対応するかが,頭を悩ます問題となっていまして……。データを不具合が発生する前まで巻き戻してしまうのであれば簡単なのですが,プレイヤーの皆さんの気持ちを考えると,できればその手は使いたくありません。
ですので……運営側でハッピーパイロットを使ったイベントを行うといった形で,まずはテストを行ってみたいと思います。そして問題がないようでしたら,プレイヤーの皆さんに開放する――という手順での復活を,いま考えています。
ハッピーパイロットを復活させてほしいと思っている方がたくさんいるということは,運営側も認識しています。どういう形に落ち着くかはまだ分かりませんが,前向きに考えることをお伝えしておきたいですね。
現在,ゲーム内経済がインフレ傾向にあるようですが,これはハッピーパイロットの不具合が影響しているのでしょうか?
中島氏:
とくに“レグルス”サーバーには,その傾向が多く見られます。もちろんレグルスだけということではないのですが,まずはレグルスサーバーの見直しをしたいと思います。私自身もレグルスサーバーのプレイヤーでして,露天等を見ましても物の値段が高いと感じています。このままでは,物が販売されなくなり,欲しくても手に入らなくなるという悪循環に陥ってしまいますので,なんとか対応しなくてはと感じています。
4Gamer:
分かりました。ぜひ対処をお願いしたいと思います。
それでは最後に,日本でルーセントハートを楽しんでいるプレイヤーの皆さんに向けてのメッセージをお願いします。
中島氏:
オンラインゲームというのは運営と開発だけの力で成り立っていくものではありません。今後はプレイヤーの皆さんの声を,これまで以上に大事にしていきたいです。アップデートに関しても,運営側の独りよがりにならないように気をつけて進めていきます。あとは,ルーセントハートらしさということで「え!? こんなものが!?」と驚いてもらえるような,アップデートを考えていけたらと思います。プレイヤーの皆さんと一緒に,今後のアップデート内容を考えられるような場も作りながら,一緒にルーセントハートを育てていくというスタンスでやっていきます。
廣田氏:
2周年を迎えられたのは,プレイヤーの皆さんの支持があってのことです。これを機にもっともっと皆さんと近い距離で運営をしていきたいと思っています。これからもルーセントハートを末永く遊んでほしいという気持ちで,精一杯やってまいりますので,今後ともよろしくおねがいします。
ルーセントハートが日本で運営できているのは,本当にプレイヤーの皆さんのおかげだと思っております。皆さんからの期待に応えられるように,我々も寝る間をおしんでがんばっていきたいと思います。
Rock LIN氏:
日本のプレイヤーの皆さんの意見にそえるよう,がんばっていきますので,ルーセントハートを末永く楽しんでいただけるようお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
2人の女神のクエストを中心とした「Fortis」アップデートは,8月中に実装される予定となっている。8月4日にはアップデートの特設サイトが公開された(関連記事)ので,興味のある人は,この記事と合わせて,そちらもチェックしてみよう。
今回のインタビューからは,プレイヤーの意見を大胆に取り入れながら,新しいルーセントハートを作っていきたいという,開発および運営チームの意気込みが感じられた。ガマニアらしいサプライズにも期待しつつ,ルーセントハートがどういう方向に向かうのかを見届けようではないか。
―2010年7月30日収録
「ルーセントハート」公式サイト
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ルーセントハート
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