3DタイプのSF RTS
「Warhammer 40,000:Dawn of War」は,世界中で熱狂的なファンを持つシリーズだ。同名作品のウォーゲームをベースとしており,これが日本ではマイナーなため,PCゲームもいま一つ受けが悪いが,実は北米市場だけで20万本もの販売実績がある(拡張ディスク第1弾
「Winter Assault」を含む)人気シリーズである。
今回の2006 E3では,THQブースにおいて「Warhammer 40,000:Dawn of War」の2本目の拡張ディスクとなる,
「Dark Crusade」が出展されていた。THQブースの中でも地味な扱いで,しかもプレイアブルバージョンではなかったため,訪れる人の数はそれほど多くはなかったようだ。しかし,それでも,一人で10分以上も食い入るようにディスプレイを見続けるような,コアなファンをちらほら見かけられたのが印象的であった。
その「Dark Crusade」だが,最大の特徴は,新勢力
「TAU」と
「Necrons」の実装である。
TAUは,Warhammerの歴史では比較的新しめの勢力で,高度な知的文明を持ってるという。THQブースにいたWillis Kemp氏によると,「例えるなら”Starcraft”のプロトスっぽい雰囲気だね」とのこと。
そして一方のNecronsは,Warhammerの世界ではもともとかなり有名な勢力で,ブース内で放映されていたムービー内でも大々的にフィーチャーされていた。その名前からも,ある程度イメージできるとは思うが,Necronsはネクロマンサー(死霊術者)的な性質を持った機械文明の種族という設定だ。ムービー内では,巨大なかぎ爪を持った人型のNeocronsユニットが,地中から這い上がる姿が描写されていた。
続いて登場したのは,死霊のような外見をしたNeocronsのコマンダーユニットが,たった1匹で50近くの一般ユニットと戦っているシーン。ちなみにWarhammerのコマンダーユニットは,例えば「Warcraft III」のヒーローユニットよりも強力な存在で,たった一人で戦局を引っくり返すことも可能である。実際のゲーム中では,このような劇的な展開も行えるのだろうか。
「Dark Crusade」のその他の特徴としては,従来は決まった順番に展開していたシングルプレイ用のキャンペーンが,好きなものから始められるようになっていることが挙げられる。ワールドマップは,各勢力の支配中のエリアが色分けされており,次に攻め込むエリアを選べるようになっているわけだ。このターンベースの要素の導入で,プレイスタイルは今後どのように変わっていくのだろうか。
今回の出展は「軽くお披露目してみました」程度で,今後発売に向けて仕様も大きく変わっていきそうな印象を受けた。「Dark Crusade」の日本語ローカライズ版の登場は現時点では不明だが,さらなる情報に期待したい。
なお,「Dark Crusade」の英語版は,現時点では2006年内の発売予定となっている。(ライター:川崎 政一郎)