［E3 2006＃079］Vivendi Gamesが，超人気ファンタジー小説「Eragon」のゲーム版を初公開

　アメリカで大人気のファンタジー小説「Eragon」（邦題：エラゴン 〜 遺志を継ぐ者）が，「スター・ウォーズ」のコラボで有名なFOXとILM（Industrial Light ＆ Magic）によって映画化されることとなった。さらに今冬全米公開に合わせてVivendi Games（旧名：Vivendi Universal Games）が着々とゲーム化を進めており，今回は同社の特設シアターで映画のプレビュートレイラーともども発表が行われた。映画のプレビューが公開されるのは，これが初めてとなる。

　以下，ややこしいので，本稿では小説および映画，そして主人公をエラゴン，そしてゲームをEragonと表記する。

　このエラゴンは，全米で250万部を販売しているという大人気のファンタジー小説で，初版で42万5000部以上を売りさばき，同ジャンルでは2年近くもベストセラーの王座を守ってきた「ハリー・ポッター」シリーズを追い落としたことで知られている。15歳のエラゴンという少年が，自分の意思とは関係なく“ドラゴンライダー”としての資格を受け継いだことで波乱万丈の冒険を繰り広げるというもので，すでに続編の「Eldest」も販売中だ。
　小説の著者であるクリストファー・パオリーニ（Christopher Paolini）氏は，1983年生まれの23歳。15歳でエラゴンを書き始め，いきなり人気作家の仲間入りを果たしたという経緯がある。

　Eragonは，映画制作者との協力で世界感の統一性を実現しているというアクションアドベンチャーだ。もちろん，映画では描ききれていない小説からのエピソードも満載で，エラゴンファンにはうれしい限り。Xbox 360版とPC版の開発を古参のStormfront Studiosが担当。一般的なコンピュータシステムでも無理なく稼動させるための配慮からか，グラフィックスは平凡だが，なかなかスムースなアニメーションで，ドラゴンに乗っての飛行が爽快になりそうだ。

　デモで確認しただけでは，とくに戦闘シーンでのアニメーションが多様な様子。剣の振り方や防御の仕方が複数あり，フィニッシュムーブまでが用意されている。
　エラゴン自身が，冒険を通してスペルを学習し，何種類もの魔法を覚えていくように，ドラゴンのサフィラ（Saphia）も，立派なドラゴンとしてエラゴンと結びつき，ファイアボールなどのスキルを身につけていくことになる。やがてはプレイヤーのコマンドにも迅速に応えていくようになり，敵が橋を渡っているときに飛来して橋桁を砕いて，主人公の窮地を救うというシーンもあった。

　なによりも，ドラゴンに乗って世界を飛び回るのが楽しそうで，サフィラはファイアボールだけでなく尻尾で建物を破壊したりもできるようだ。二人での協力プレイにも対応し，1人がエラゴン，もう一人がサフィラとなって一緒にストーリーを続けることもできるという。

　映画の制作初期段階からすでにゲームも作られ始めていたとあって，デモ担当者はゲーム開発が予定通りに進んでいると笑顔を見せる。発売は，映画が公開される11月中の予定になっている。（ライター：奥谷海人）