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[GDC 2009#01]ゲーム開発者会議「Game Developers Conference」(GDC09)開催
4Gamerでも,Game Developers Conferenceは2002年以降毎年のように特集しているイベントの一つであるが,ここで,改めてGame Developers Conferenceについて説明しておこう。
そもそもGDCとは?
当時は,まだCGDC(Computer Game Developers Conference)と呼ばれていたが,1994年にCEDA(Computer Entertainment Developers Association)を発足させて以降は,開発者会議としての地位を揺るぎのないものにしており,1999年には現在のGDCへと改名。CEDAも,IGDA(International Game Developers Association)という名称に変わって,2008年の会合では全世界から1万8000人ほどの参加者を集めるほどに膨らんでいる。
もっとも,発足当初は“International”というのは名ばかりで,とくに日本人ゲーム開発者は基調講演に呼ばれた人へ特別にメンバーシップが与えられるに過ぎなかった。日本では,まだ開発者会議というコンセプトは浸透しておらず,同業者であっても顔を合わせて情報や意見を交換する場を提供することなど,経営者側にとってタブーに近い行為だったわけである。
しかし,現IGDA日本の代表を務める新清士氏の呼びかけによって,2002年には開発者団体の日本支部が立ち上がり,当初は10人もいなかったであろう日本からの参加者も序々に増えた。
ここ数年,日本のゲーム市場でモバイルゲームやオンラインゲームが発展している背景があることや,かなりの大学関係者が調査目的で渡米するようになったことから,300を超えるセミナーの講演者名簿には,少なからず日本人の名前を見かけるようになった。かなり適当な数字で恐縮だが,在米の日本人開発者も合わせると300人ほどになるのではないだろうか。
今年のテーマは「不況をどう乗り切るか」
しかし,長年参加しているというアメリカのあるゲーム開発者に聞いてみたところ,やはり今年の雰囲気は「年に一度の開発者の祭典として,楽しむことは楽しみたい。ただ,どことなく静かにお祝いしようという雰囲気に近いかもしれない」と,これまでとは違う空気を感じている様子だ。実際,夜な夜な行われる各社のパーティも,地味にオードブルと酒が用意されるに留まっているなど,実務寄りに抑えられているものが多いとのことである。
今年のトレンドは,独立系ゲームの開発者達が勢いを増していることだ。ここ最近は,「Audiosurf」や「The World of Goo」「Braid」といったインディ系の作品が,“メジャーゲーム”を凌駕するほどの成功を収めている。プラットフォームを問わず,デジタルディストリビューションという新しい販路が着実に根差していることに起因しているが,さらに突き詰めればインディ開発者達のアイデアと才能を開花させやすい土壌が出来上がっているということでもある。
また,いつもより格段にMacノートを抱えた開発者達が闊歩しているのを見かけるようになった。これまでなら,Macノートは地元新聞のジャーナリストや経済アナリストくらいしか常用していなかったのだが,iPhoneアプリ市場が沸騰していることもあり,2002年以来の恒例となっているGDC Mobileサミットの中心が,Mac系開発者で占められるようになっているのだ。
また,「Fallout 3」「Fable II」「Left 4 Dead」そして「Dead Space」など,去年のヒット作を手掛けた開発者達による,気になるセミナーも目白押し。かなり内容の濃いイベントとなりそうで,その勢いで不況による重い空気を吹き飛ばしていただきたいものだ。
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