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ATI,「Radeon X1650 XT」を発表 遅れてきた“7600 GT”対抗馬
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その後,時間の経過とともに“ミドルレンジ”の定義は様変わりしたが,ATIが199ドル未満――もっといえば2万円前後かそれ以下の市場で,競争力のあるGPUを1年もの長きにわたって持てなかったというのは事実だ。この間に,1万円台中盤から2万円強の市場は,少なくとも日本では完全にNVIDIAのものになってしまったわけだが,Radeon X1650 XTは,そんな状況からの挽回を図る一手である。その意味では,先に3万円前後でデビューし,「GeForce 7900 GS」に戦いを挑んでいる「Radeon X1950 Pro」と同じような立ち位置の製品といえるだろう。
■「R580の半分」となる「RV560」
■Radeon X1600シリーズが抱える課題を払拭
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また,対NVIDIAという見地からは,ピクセルシェーダユニットの数が24基と,GeForce 7600 GTの倍になり,同時にROPユニット数が互角になった点に注目したい。先にNVIDIAは「GeForce 7900/7600シリーズが持つピクセルシェーダユニットのベクトル演算性能は,Radeon X1000の2倍」という,“実効性能2倍理論”を展開していたが,この理論に100%従っても,シェーダユニットのスペックでは互角以上となったわけだ。
もちろん,R580ベースなので,FP16(16bit浮動小数点ユニット)を用いたHDR(High Dynamic Range)レンダリングや,高速動的分岐,Avivo Technologyなどといった,アーキテクチャレベルの特徴はRV560=Radeon X1650 XTでも健在である。
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また,Radeon X1950 Proと同じく,専用のリボンケーブル「CrossFireブリッジ接続ケーブル」による新しいCrossFireインタフェースをサポートしており,CrossFire構成も可能だ。シングルカード構成と比べるとスケーリング効果に波があることは認めつつも,最適化が進んでいるタイトルでは,GeForce 7600 GT SLIを寄せ付けない性能を発揮すると主張する。
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■カードの想定売価は149ドル
■2万円前後で登場なら面白い
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ちなみに,ライバルとなるGeForce 7600 GTの実勢価格は,は2006年10月現在で1万6000〜2万2000円前後である。スペック的にはGeForce 7600 GTといい勝負をすると思われるRadeon X1650 XTだけに,同程度の価格で登場するなら,コスト重視でそこそこの3Dパフォーマンスを持つグラフィックスカードを求めている人にとっては,嬉しい新製品となるに違いない。
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買う側のゲーマーとしては,予算が2万円前後の場合,Radeon X1650 XTのパフォーマンスはもちろん,店頭価格を見てから判断を下す必要がありそうである。(米田 聡)
- 関連タイトル:
ATI Radeon X1600
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