東京ゲームショウ2005の
ATI Technologies(以下ATI)ブースで,ピクセルシェーダ3.0(Shader Model 3.0,以下SM3.0)対応グラフィックスカードの動作デモがさりげなく行われていた。
デモ中のST20G5。写真左上に立てかけてあるディスプレイに,SM3.0を有効にした状態で動作する「スプリンターセル カオスセオリー」が表示されている
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デモ機は250Wの電源ユニットを搭載する
Shuttle製キューブベアボーン「ST20G5」ベースで,CPUはAthlon 64 3500+/2.2GHz。筐体を開けることは許されなかったので,カードの写真を撮ることはかなわなかった。しかし,デモ機でプレイアブルとなっていた
「トム・クランシーシリーズ スプリンターセル カオスセオリー」(原題 Tom Clancy's Splinter Cell:Chaos Theory)の設定で,SM3.0が有効になっていたのはそれでも十分に興味深い。2005年9月16日現在,ATIのグラフィックスチップ製品でSM3.0に対応したものが存在しない以上,このデモ機に入っているグラフィックスカードが,最新世代Radeonと思われる未発表チップを搭載するのはほぼ確実。動作デモが行われたことで,カードはほぼ完成しているとも判断できるだろう。
スプリンターセル カオスセオリーの設定を確認してみたところ。ちなみに,写真を見てのとおり同タイトルは日本語版だが,日本語版が一般にプレイアブルで出展されたのはこれが初めて
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現時点でこのカードのスペックはまったく明らかになっていないが,吸気口や筐体背面を覗き込んだ限り,この新グラフィックスカードのチップクーラーが1スロット仕様なのは確かなようだ。外部インタフェースはDVI-I×2とビデオ。デモ機の左側面はかなり温かくなっていたが,手で触れないほどではなかった。
ATIの日本法人,ATIテクノロジーズジャパンの三根裕司氏に聞いてみたところ,新製品はハイエンド,ミドルレンジ,ローエンドの3セグメント向けに投入される予定とのこと。現行のRadeon X850シリーズは生産終了となり,新製品と併売されるのは,Radeon X800 GT/GTOシリーズのみになる見込みという。Radeon X800GT/GTOシリーズは,新製品のミドルレンジとローエンドの中間くらいに位置づけられることになりそうだ。
■未発表のファンレスのX800カードも展示
このほかATIブースでは,未発表のASUSTeK Computer製グラフィックスカード「Extreme AX800 Silencer/2DTV/256M」の展示と動作デモが行われていた。
同製品が搭載するチップクーラーは,「Extreme N6600GT Silencer/HTD/256M」とほぼ同じ仕様。色味が若干異なっているが,カードに対して垂直方向に伸びる追加ヒートシンクをうまく固定すると,グラフィックスカードを完全ファンレスで運用できるというコンセプトは同じといっていい。取り付けるのを忘れたのか,アクリルケースには排気ファンがなかったが,それでもデモPCで
「マイクロソフト ダンジョン シージ 2」は安定動作していたことを付記しておく。