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レビュー
薄型キーの10キーレスワイヤレスキーボード「G915 X LIGHTSPEED TKL」。正当進化を遂げたロープロファイル勢のアイドルだ
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普段の筆者は,どちらかといえばPCでもゲームパッドでゲームをプレイすることが多い。キーボードは,チャットや作業が主で,これまではロジクールのワイヤレスキーボード「MX MECHANICAL Mini」(リニアタイプ)を愛用していた。ゲームに近い操作をするアプリと言えば,「Adobe Photoshop」が思い浮かぶ。同アプリにあまり触れたことのない読者向けに説明すると,キーボードショートカットをバシバシ入力しながら高速でポインティングをするので,実はFPSの操作に近いのだ。写真上のゴミ取りは,もはやFPSと言っても過言ではない。
ともあれ,そんな環境だったのだが,MX MECHANICAL Miniが突然故障してしまったので,キーボードをG915 X LIGHTSPEED TKLに更新したわけだ。前置きはこれくらいにして,実機を紹介していこう。
なぜG915 X LIGHTSPEED TKLを選んだのか
ゲーマー向けの10キーレスワイヤレスキーボードは,日本市場で人気のジャンルであり,多数の製品が存在する。その中からG915 X LIGHTSPEED TKLを選定した理由は,いくつかある。
- ロープロファイルであること
- 専用USBワイヤレスアダプタ接続とBluetooth接続の切り替えがスムーズであること
- 10キーレスもしくは65%であること
- スイッチは赤軸系か茶軸系(※アクチュエーションポイント1.3〜1.5mm)
ロープロファイルタイプのゲーマー向けキーボードは,増えてはきたものの選択肢が多いとは言えない。そのうえ,USBワイヤレスアダプタ接続とBluetooth接続の切り替えがキーボードショートカット,もしくはキーボード表面の物理ボタンで行えるとなると,選択肢はさらに減る。ロジクール製品くらいになってしまうのが実情だ。
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キーボード選びに話を戻すと,当初は「同じ製品を買うのもつまらない」というマインドで,同じロジクールの「G515 LIGHTSPEED TKL」を眺めていたのが,G915 X LIGHTSPEED TKLに着地した。ちなみに,店頭で軸の違いをチェックしたのだが,購入した大手量販店の展示機は,相当酷使されたものばかりだった。読者が店頭で打ち心地を確認するときは,あまり押下されていないキー,たとえば[Pause/Break]キー(※本機では[P/B]と表記)あたりを選ぶといいだろう。
G915 X LIGHTSPEED TKLの外観をチェック
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G913 TKLからの変更点のひとつに,アルミニウム合金製の天板が,1.3mm厚から1.5mm厚に厚くなって,打鍵時の安定感が増したことがある。また,キーキャップの刻印がデュアルショットPBTキーキャップに変更されて,酷使してもはげにくくなっている点も分かりやすい違いだ。
また,キー押下時における軸ブレがかなり抑制されて,キーを左右に振ってもカチャカチャと鳴らない点を,もっとも大きな改善点と感じる人もいるだろう。
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キースイッチの種類が本体カラーで異なる点は,いささか理解に苦しむところ。購入時の量販店スタッフ曰く,「タクタイルが人気」とのことだったので,販売する地域の市場特性を配慮したものという可能性もある。何かとホワイトは人気であるし。
次の写真にあるとおり,左[Shift」キーと[Enter]キー,[Space]キーの3つは,押下時の打鍵感を均一化するために,補助が追加されていた。利用頻度の高いキーであるので,妥当な選択といえるだろう。
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G915 X LIGHTSPEED TKLの底面を見ていこう。滑り止めのゴム脚は4つあるのだが,スタンドを立てた場合,スタンド先端にあるゴムの面積が狭いためか,意外とキーボードが滑る。もちろん,通常の打鍵時に滑ることはないが,激しく操作する癖がある場合は,微妙に位置がずれる可能性があるため,別途ゴム脚の追加を検討するといいだろう。おすすめの追加ポイントは裏面中央やや下付近だ。
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底面にある2つのスタンドは,閉じた状態と4度,8度の3段階で調整できる。高さや角度が好みに合うかどうかは,店頭で確認してみるといいだろう。
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これは,極力遅延を減らすため対策による弊害だと思えるが,G915 X LIGHTSPEED TKLに限った話ではない。他メーカーのUSBワイヤレスアダプタでも,同様の現象が発生する。もし,読者の環境で似たような現象が発生したなら,付属するUSBケーブルと変換コネクタを利用して,都合のいい場所にLIGHTSPEED USBレシーバーを設置するといいだろう。
余談だが,同じロジクールの「Logi Bolt」のUSBワイヤレスアダプタの場合は上図でもなんら問題ナシだ。Logi Bolt動作モードがほしいところである。
LIGHTSPEED USBレシーバーとBluetooth接続の切り替えは,先述した奥側のボタンで行い,押した時点で即切り替わる。キーボードのLED発光色を接続別に設定している場合は,切り換えにはやや遅れて変更が反映されるといった具合だ。接続先変更の速さは,メインPCとノートPCでキーボードをシェアする場合に,とてもありがたい。
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バッテリー駆動時間は,公称で42〜1000時間以上と幅広い。キーボードLEDを使用すると,やはりバッテリーの減りは激しいようで,LEDをオフにした場合は1000時間以上とのことだ。おおよそのバッテリー駆動時間は,ロジクール製品ではお馴染みの統合設定ソフト「G HUB」で確認できる。
ちなみに,G HUBでキーボードLEDをオンにしたまま,キーボード奥側の輝度変更ボタンで消灯しても,G HUBアプリ上では満充電状態で「250時間」ほどと表示される。つまり,輝度変更で見た目が消灯状態になっても,キーボードLEDはオンの扱いで,待機電力が生じているようだ。この点については,早急にアップデートで修正してほしいところである。
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G HUBでG915 X LIGHTSPEED TKLの設定を変更。ただしとっつきにくさは否定できない
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G HUBでは,キーボードの機能割り当て変更(キーマッピング)や,特定のキー入力をトリガーにして,押下している間だけキーマッピングを変更できる「Gシフト」,ゲームモードで無効化するキーを選択するといった機能がある。
あるのだが……まともな使い方ガイドがないので,使い方を理解するまでに時間がかかるのだ。初心者にとって,このとっつきの悪さは深刻であり,控え目にいって,呪詛が漏れた。よく分からない人は,キーボードLEDの色だけ変更して放置してもいいだろう。
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ちなみに,Gシフト用キーは「ベース」タブでトリガーになるキーを設定したうえで,「カスタム割り当て」を有効化する必要がある。しかし,Gシフトの設定がベース側にも反映されてしまうこともあって,謎が多い。
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ゲームモードの設定では,デフォルトで[Windows]キーとメニューキー,ワイヤレス接続の切り替え用ボタンなどが無効化される。さらに,ユーザーが無効化したいキーを追加できるようになっており,追加したものは,G HUB上では水色で表示する仕組みだ。特定ゲーム向けのプリセットも配布されている。
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左下の歯車アイコンから遷移する「デバイス設定」では,オンボードメモリへのプロファイル割り当ても決められる。デフォルトではM1スロットが「プロファイル1」になっているため,作成したプロファイルに変更しておかないと,「何度やっても設定が反映されぬのだが?」となりがちだ。
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価格は高いが,長く使えるロープロファイル派向けキーボード
ゲーマー向けマウスやゲーマー向けキーボードは,通常のマウスやキーボードと同じように,更新サイクルは長めに設計されている。新製品の登場サイクルも長い。ひとつのマウスやキーボードをどれくらい使っていたか運用期間を思い返してみると,「4〜6年くらいかな?」と浮かんだ読者もいるだろう。G915 X LIGHTSPEED TKLの実勢価格は,3万3000円前後と相応に高価な製品ではあるが,5年前後は使う長期運用前提と考えれば,ターゲットにできる価格ではあるだろう。
ロープロファイルのゲーマー向け10キーレスキーボードとしては数少ない選択肢のひとつでもあり,キーや天板の耐久性も向上している。「そろそろキーボードも更新時期かな」と検討しているのであれば,G915 X LIGHTSPEED TKLをチェックするといいだろう。
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ロジクールのG915 X LIGHTSPEED TKL製品情報ページ
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Logitech G/Logicool G
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