「Call of Duty: Advanced Warfare」に最適化された公式最新版ドライバ「GeForce 344.60 Driver」

　北米時間2014年11月4日，NVIDIAから新しい公式最新版グラフィックスドライバ「GeForce 344.60 Driver」が公開になった。公式最新版なので，MicrosoftのWHQL（Windows Hardware Quality Labs，ウィクル）は通過済み。北米市場で今週発売の新作FPS「Call of Duty: Advanced Warfare」（以下，CoDAW）へ最適化された，いわゆる「Game Ready」ドライバで，シングルGPU構成およびSLI構成時に対応するというのが大きな特徴だ。

　CoDAWでは，ゲーム側にスーパーサンプリングの機能が用意されているが，「Dynamic Super Resolution」（以下，DSR）を利用すると，それよりもエイリアシングは減り，テクスチャの明瞭度は上がり，地表のディテールが増し，ゲーム世界の再現性が向上するとされているのもポイント。現在のところ，GeForce Experienceから行えるのはキャンペーンモードのDSR最適化設定だけだが，追ってマルチプレイ用のDSR設定も公開される予定とのことだ。もちろん，マルチプレイで利用したければ，344.60でもマニュアル設定は行える。

　日本でのCoDAW発売は来週なので，そんなに急いで導入する必要はないかもしれないが，すぐに入手したい人は下に示したリンクからどうぞ。
　なお，CoDAW自体がWindows XPをサポートしないため，344.60ドライバもWindows XP用は用意されない。Windows XPに対応する公式最新版は，依然として北米時間10月22日公開の「GeForce 344.48 Driver」ということになる。

→32bit版Windows 8.1・8・7・Vista用GeForce 344.60 Driver（236MB）
→64bit版Windows 8.1・8・7・Vista用GeForce 344.60 Driver（291MB）

→ノートPC向けの32bit版Windows 8.1・8・7・Vista用GeForce 344.60 Driver（236MB）
→ノートPC向けの64bit版Windows 8.1・8・7・Vista用GeForce 344.60 Driver（292MB）

→4Gamer最新ドライバリンクページ

　344.48ドライバをベースに，CoDAWへの最適化を行ったバージョンという位置づけのため，統合される「GeForce Experience」「HD Audio Driver」「PhysX System Software」のバージョンは順に2.1.3（16.13.56.0），1.3.32.1，9.14.0702と，変わらず。一方で，英文リリースノートには，一読しただけだとなんだかよく分からない修正項目が2つ，以下のとおり用意されていた。

• Improve the handling of Out Of Order Map calls with the D3D11_MAP_FLAG_DO_NOT_WAIT flag on staging buffers to prevent stalls when the server thread is busy.
• Apps may hang with the new async staging buffer maps path.

　ぱっと見，特定のAPIコールに関連した問題が潰されたような印象を受けるが，これは何なのか。NVIDIAに問い合わせたところ，同社のデベロッパテクノロジーエンジニアである竹重雅也氏から回答が得られたので，以下のとおりお伝えしておきたい。

　「D3D11_MAP_FLAG_DO_NOT_WAITフラグをつけたMap関数は，APIデザイン上，ドライバが即時応答し，Map可能な場合はMapしたポインタを返す処理になっています。あるいは，該当リソースがGPUから使用中などといった理由でMap関数できない場合はエラーを返すようになっており，いずれの場合も即時応答するようデザインされたAPIといえます。（修正項目のテキストに）『Out Of Order』とあるのは，この呼び出しが，ほかのドライバ処理よりも優先して行われるためです。
　344.48以前のドライバでは，ドライバの処理負荷が高いとき，D3D11_MAP_FLAG_DO_NOT_WAITフラグをつけたMap関数の呼び出しからの“戻り”に，長い時間がかかるケースがありましたが，これが344.60最新のドライバでは解消しました。これにより，D3D11_MAP_FLAG_DO_NOT_WAITフラグをつけたMap関数呼び出しは，GPUの該当リソースの使用状況を精査するのではなく，即時応答性を重視した処理へと変更されました。これが『the new async staging buffer maps path』の言及内容です。
　動的リソース更新の激しいゲームでの動作改善が見込めると思います」

　基本的には，国内で来週発売となっているCoDAWのPC版を待ち構えている人向けだが，竹重氏のコメントを読む限り，それだけに留まっていない気配があるのも確かだ。そこに惹かれるのであれば，CoDAWをプレイする予定がない人も，自己責任での導入を検討する価値があるのではなかろうか。


＃＃　以下，GeForce.comの関連記事および英文リリースノートまとめ　＃＃

●GeForce 344.60 Driverの対応製品

• デスクトップPC向けGeForce GTX 980＆970（※Windows XPは非対応）
• デスクトップPC向けGeForce GTX 700〜400シリーズ（GTX TITANシリーズ含む）
• デスクトップPC向けQuadro Kシリーズ，Quadro 6x0＆4x0シリーズ，Quadro 7000〜2000シリーズ，NVSシリーズ
• ノートPC向けGeForce 800M〜500Mシリーズ
• ノートPC向けQuadro Kシリーズ，Quadro 5000M〜1000Mシリーズ，Quadro 500M，NVS 5000M・4000Mシリーズ
• Tesla Kシリーズ，Tesla 20・10・8シリーズ

●GeForce 344.60 Driverの新要素
・SLIの拡張

• 「Call of Duty: Advanced Warfare」向けSLIプロファイルの追加

・3D Visionの拡張

• 「Call of Duty: Advanced Warfare」向け3D Visionプロファイルの追加
  （※レーティングは公開されていない）

●GeForce 344.60 Driverで解決した問題（Windows 8.x・7・Vista）

• Improve the handling of Out Of Order Map calls with the D3D11_MAP_FLAG_DO_NOT_WAIT flag on staging buffers to prevent stalls when the server thread is busy.（※詳細は本文を参照のこと）
• GeForce 344.48 Driver導入済みの環境で「Alien: Isolation」を実行すると，レベルの読み出し中にゲームアプリケーションがハングする問題
  （※「GeForce 344.11 Driver」ならこの問題は発生しないとされる）
• Apps may hang with the new async staging buffer maps path.（※詳細は本文を参照のこと）
• Call of Duty: Advanced WarfareがSLIプロファイルと3D Visionプロファイルを必要する問題（※これもよく分からないのだが，そうとしか訳せない。原文は「Call of Duty: Advanced Warfare needs an SLI profile.」「Call of Duty: Advanced Warfare needs a stereo profile.」）

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※2014年11月5日16：00頃追記
初出時に「よく分からない」としていた部分について，NVIDIAから回答がえられたため，本文をアップデートしました。