Lasso。「Shuttle Lasso」のロゴが見える
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ShuttleはCOMPUTEX TAIPEI 2007に合わせて,会場近くに設けた同社スペースで,PCI Express x16接続のグラフィックスカード2枚を外付けできる“グラフィックスカードボックス”
「Lasso」(ラッソ)を出展した。
Lassoは,旧ATI Technologies(以下 旧ATI)とShuttleが共同して開発を進めていた,外付けでCrossFire環境を実現するための製品。Lassoは旧ATIの開発コードネームで,Shuttle以外にもASUSTeK Computerなどが開発を委託されていたが,旧ATIとAMDとの合併により,プロジェクトは事実上立ち消えとなってしまった。そこでShuttleでは,このLassoを,同社の小型PC(およびベアボーン)であるXPCシリーズだけではなく,
汎用のPCアップグレード用アイテムとして発売することを計画中という。
16レーンのPCI Express信号を,写真中央に見えるヒートシンクの下に用意されたPXIコントローラで48レーンに増幅。Lassoではこれを2本のスロットにx16として分配する。理論的にはPCI Express x16スロットを3本搭載することも可能で,筐体は2スロット仕様のカードを4枚搭載できるだけの余裕を持っている。ちなみに差さっていたのは「ATI Radeon HD 2900 XT」カード×2
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展示されたモデルでは16レーンのケーブルコネクタを採用していた
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Lassoは,PCI Expressの拡張ケーブル規格に準拠するケーブルでPCI Express Gen2の16レーンを外付けボックスに伝送し,さらにその出力を2本のスロットへ分配することでデュアルグラフィックスカード環境を実現できる。現行のPCI Express x16対応グラフィックスカードであれば,8レーン×2(Gen1換算なら16レーン×2)で接続できる理屈だ。
Lassoを背面から。後ろから見ると,余裕のほどがよく分かる
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前面には80mm角相当と思われる吸気ファンが2基用意されている
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旧ATIと共同開発していた,デュアルグラフィックスカードをサポートする製品ということからも想像がつくように,LassoはCrossFireをサポートする。しかし,かつてGIGA-BYTE TECHNOLOGYのプロダクトマネージャーとして活躍し,2007年4月にShuttleの同職へ就任したRockson Chiang氏は,(旧ATIの“縛り”がなくなったことを受け)「『XPC Primo SX38P3』の投入に合わせ,
CrossFireとSLIの両方に対応したモデルとして,2007年第4四半期に市場投入したい」(XPC Primo SX38P3については後述)と説明する。
ただし,一つだけ技術的な問題がある。16レーンを二つに分けてデュアルグラフィックスカード環境を構築する,現在のLassoでは,CrossFireには対応できても,SLIには対応できないのだ。
実はSLIでは,チップセットの種類だけでなく,PCI Expressの接続形態もチェックされており,16レーンを分配する形のシステムでは機能しないようになっている。そのためShuttleではNVIDIAと協議を進めているとのことだった。
電源コネクタとSerial ATAコネクタ
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なお,Shuttle版Lassoでは,電源ユニットとして一般的なATX電源を採用することで,グラフィックスカードのみならず,電源のアップグレードも可能にしている。また,本体背面にはSerial ATAコネクタが装備され,本体内部にHDDを2台搭載することも可能。仮にSLIへ対応しなくとも,既存のXPC(や,筐体サイズの問題などでハイエンドグラフィックスカードを搭載できないPC)のアップグレードパスとして,十分な意味を持ちそうな気配である。
■オーバークロック機能搭載のハイエンドや
■AV向けモデルなど,小型PCを協力に推進
製品は3ラインナップに整理される
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このほかShuttleは,
[COMPUTEX 2007#05]のレポートでも紹介したとおり,キューブ型ベアボーンおよびPCとなるXPCの新ラインナップを発表した。ゲーマーやパワーユーザーをターゲットとした
「XPC Prima」のほか,ホームシアターを意識したAV用途向けの
「D’VO」(ディーボ),そしてベーシックタイプとなる
「XPC Glamor」の3モデルを,順次市場へ投入していくという。
左は新製品発表会で挨拶に立つ,Stan Cheng新CEO。同氏はXPCの開発を手がけてきたR&D畑の出身だ。右は先ほど名前の出たRockson Chiang氏
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XPC Prima SX38P3に採用されるマザーボード「FX38」のエンジニアリングサンプル
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XPC Primaシリーズでは,「Intel P35 Express」や「Intel X38 Express」を搭載したモデルが用意される。同シリーズのポイントは,新たにコンデンサなどの部品レベルからマザーボードの見直しを図って,信頼性を高めるとともに,自在にチューニングできるよう,オーバークロック機能が実装されるという。
同時に,チップセットやVRMの冷却にはヒートパイプを組み合わせたファンレスソリューション「OASIS Cooling Technology」を採用し,同社お得意のヒートパイプ採用型CPU冷却機構との組み合わせで,優れた静音性を実現するとした。
先ほど名前を出したXPC Prima SX38P3は,まさにこのXPC Primaシリーズのフラグシップだ。PCI Express Gen2対応のPCI Express x16スロットを2本搭載(※エンジニアリングサンプルはPCI Express x16とPCIが各1だったが,製品版で変更されるとChiang氏)し,デュアルグラフィックス構成をサポートする。さらに本体背面にはminiCardスロットが設けられ,Intel Turbo Memoryやワンセグチューナーカードなどを搭載できるという。
左はIntel P35 Express搭載XPC「XPC Prima SP35P3」で搭載されるマザーボード,「FP35」で,ヒートパイプを採用したチップセット&VRMクーラーであるOASISが採用される。右はXPC Primaのカラーバリエーション。標準的な黒色筐体のほか,カラフルなペイントが施されたモデルの投入も検討されている
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[COMPUTEX 2007#05]の記事では「XPC D’VO」として紹介したが,最終的にホームシアター向けとしてXPCから独立したD’VO。,第1弾となるIntel G33 Express搭載の「SG33G6 Deluxe」は今月中にも市場投入される
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また,ゲーマーとは直接かかわらないかもしれないが,意欲的な製品となっているので,XPCの冠を外したD’VOについても少し触れておきたい。同製品は「Intel G33 Express」チップセットを採用し,Dolby Digital Live/DTS Interactiveといった,AVアンプなどの外部デコーダから利用できるマルチチャネルサウンド信号へサウンドデータを変換できる技術をサポート。さらにグラフィックスインタフェースとしてデジタルYCbCr&RGB(HDMI)を標準装備するのも特徴だ。
またShuttleでは,D’VOのアクセサリとして,小型の真空管アンプも発売予定とのことで,一般のAV市場へ積極的に打って出る構えを見せている。(ライター・本間 文)
D’VOでは,金メッキされたHDMI端子が用意される(左)。右はD’VO専用というわけではなく,単体製品としても市場展開を目指すという真空管アンプ
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