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「大航海時代 Online」開発者インタビュー<前編>:クリスマスアップデートの内容が明らかに!
そんな中,「正式サービス1周年を記念する大規模アップデート」の噂を耳にした。4Gamerとしてはサラッと聞き逃せる情報ではないので,早速本作開発チームの渥美/竹田両氏に時間をもらい,インタビューを行った。
果たして,大航海時代 Onlineの1周年を記念する大規模アップデートとは,どのような内容なのだろうか? 今回は,「開発者インタビュー<前編>」ということで,まずは12月に予定されているアップデートに関する新情報をお伝えしよう。
■「クラス別大海戦」の導入で,大海戦がより参加しやすく,戦略的に生まれ変わる
お久しぶりです。本日もよろしくお願いします。
さっそくですが,1周年記念の大規模アップデートはどんな内容になりそうですか?
渥美貴史氏(以下,渥美氏):
お久しぶりです。こちらこそよろしくお願いします。
本日まずお伝えしたいことは,12月に予定しているクリスマスアップデートに関することなんです。
4Gamer:
おお,まずはお馴染みの月例アップデートの話からですね。ではまずその内容について教えてください。
渥美氏:
12月度のアップデートに関しては,いつもの月例アップデートの枠を越えた比較的大きなものを予定していまして,「初心者Welcomeのクリスマスアップデート」と位置づけて,主に初級から中級のプレイヤーにとってうれしい機能を実装しようと考えています。
その中でもとくに注目してほしいのは,大海戦がクラス別になることですね。
4Gamer:
キャラクターのレベル帯で分けるのではなく,職業別で大海戦が楽しめるようになるということですか?
渥美氏:
いえ,ここでいう"クラス"とは,船の種類のことです。現在ゲーム内では,高レベル帯プレイヤーと,そうでないプレイヤーとの間で戦力差がついてきてしまって,大海戦へ気軽に参加できる雰囲気ではなくなってきている印象を受けるんです。
そこで,既存の船種を3つにクラス分けし,船のクラス別にエントリーできるようにして,大海戦をより多くの人に楽しんでもらおうと考えています。
竹田智一氏(以下,竹田氏):
クラス別という新たなレギュレーションを追加することによって,プレイヤー単位の戦力が拮抗することになりますので,一方的な戦力差で押し切るような海戦は減り,気が抜けない白熱した海戦が各所で展開されるようになります。
どのレベル帯のプレイヤーでも,(レギュレーションに合わせた)乗船可能な船が分類されているクラスの大海戦に参加することで,大海戦が楽しめるようになりますよ。「どのクラスに注力するか」という問題は,国家的な戦略になってくるかもしれませんね。
4Gamer:
なるほど,手薄なクラスに戦力を集中すれば,そのクラスを制覇しやすいですもんね。
竹田氏:
ただ,上位クラスの大海戦ほど高得点が狙えるので,クラスごとの戦力の分配には,ぜひ頭を悩ませてもらいたいですね。
4Gamer:
その他の仕様変更に関しては,なにかありますか? 例えば,時間帯の変更とか。
渥美氏:
ズバリきましたね。その通りです。まず,現在大海戦は,金土日の3日間で,各日1時間の会戦時間を設定して開催されているんですが,このクラス別のレギュレーションを導入してからは,各日3時間となります。例えば金曜日なら,20時からが一番下のクラス,21時からが真ん中のクラス,22時からが一番上のクラス,といった具合になります。土曜,日曜も,それと同じようなスケジュールで開催していきます。
竹田氏:
前哨戦,中盤戦,最終決戦みたいなイメージですね。
4Gamer:
それは盛り上がりそうですね。やろうと思えば,すべてのクラスに連続エントリーすることも可能なんですか?
竹田氏:
ええ,可能です。大海戦はクラス別になりますが,流れとしては連続しているので,どこかのタイミングでピットインして,船をチェンジすれば,すべてのクラスに参加可能です。高レベル帯プレイヤーであれば,船を乗り換えて,全てのクラスの大海戦に参加できるわけです。全てのクラスに参加すると3時間連続で戦うことができるので,これまで以上に戦闘を楽しめます。
渥美氏:
今まで高レベル帯プレイヤーにとっては,自分のメインシップを強化することだけが大海戦での準備行動だったわけですが,クラス別を導入することで,セカンドシップやサードシップの船体選び/チューニングも楽しんでもらえるはずです。
4Gamer:
所有する船のバランスも変わってきますね。大海戦好きな上級高レベル帯プレイヤーなら,すべてのクラスで最適化した船を作り上げるでしょうね。
竹田氏:
さすがにすべてのクラスに参加するのは大変でしょうけど,大海戦が好きな人は,ぜひ自分なりにスケジュールを調整して,国家の勝利に貢献してもらいたいですね。
渥美氏:
そうなってくると,アイテムも幅広く使う機会が増えるので,いかにうまくアイテムを使い回せるかも腕の見せどころになってきます。
4Gamer:
レギュレーションの問題とアイテム欄の問題を考慮しつつ,複数のクラスに参戦していくことは,大海戦ファンにとって大きな楽しみになりそうですね。
渥美氏:
12月度アップデートの正式リリースで,ルールの詳細も公開しますので,楽しみに待っていてください。
■「@モバイル」で,自動回航や世界情勢のチェックが可能に
12月のクリスマスアップデートでは「大航海時代 Online@モバイル(βサービス中)」(以下,「@モバイル」)にも新機能が追加されます。「@モバイル」は,携帯電話を通じて利用できるサービスですが,現在提供されているメール機能に加え,ゲームに接続していないときでも自動回航ができたり,世界情勢の確認ができるようになります。
自動回航に関しては,あくまで「ゲーム中で移動したほうが速い」という原則は残しつつ,新たな移動手段として活用してもらえます。
今までだと,友達との待ち合わせ場所に行くには,ゲームに接続してある程度の時間をかけて集合していたわけです。でも自動回航を活用すれば,前日の寝る前や出先などで自動回航を設定するだけで,次にログインしたときには,待ち合わせ場所に到着しているというわけです。
4Gamer:
確かにゲームに接続する時間は人それぞれだし,ゲームの性質上,複数の人が集合するにはそれなりに時間がかかってましたね。
竹田氏:
本作では頻繁にイベントを実施してますから,寝ている間や出かけている間を利用してイベントのスタート地点まで移動できるのはとても助かりますよね。いわゆる「寝落ち」の危険も回避できますし(笑)。
渥美氏:
もちろん無制限に移動できてしまうと問題なので,例えば,今までに訪れたことのある街にしか行けないだとか,1回の回航では長距離移動できないとか,交易品が運べないとか,さまざまな制限は設けさせてもらう予定です。
また,自動回航を利用するには,ゲーム内で「回航許可証」というアイテムを入手しなければならないので,その点も制限として機能します。
竹田氏:
とはいっても,回航許可証は特定のNPCに話しかけることで入手できるようなアイテムなんですけどね。ただ,回航許可証をトレード可能にしてしまうと,特定の人に集中してしまう恐れもあるので,その点については検討中です。
4Gamer:
ちなみに,自動回航中にゲームに接続してしまうと,どうなっちゃうんでしょう?
竹田氏:
その場合,自動回航がキャンセルになってしまいます。自動回航を設定する際に,到着時間の目安が伝えられますし,到着すればメールが送信される仕組みになっているので,ある程度計画的に活用してもらえば,問題はないと思っています。
渥美氏:
で,この自動回航なんですが,繰り返し利用することで,経験値のようなものが蓄積されていき,回航する手段が増えていくという仕組みも実装予定です。ちょっと割高だけど,通常より移動時間が短縮できるとか,ちょっと給料が高いけど,嵐に強い熟練航海士を雇うとか。
竹田氏:
傭兵を雇うという選択肢も考えています。傭兵がいれば,トラブルに見舞われる危険性が軽減できるとか。
4Gamer:
それはいいですね。成長要素があるだけで,積極的に利用しようという気持ちも生まれますし。しかし携帯電話との連動は当初から告知されていましたが,ここでようやく本格稼働,といった感じですね。
渥美氏:
ええ,「@モバイル」との連動についても,プレイヤーにとってより有益なサービスを積極的に展開していこうと思います。
「@モバイル」での世界情勢のチェックについてもご説明しておきましょうか。これは,国籍ごとの街の所有状況や,暴騰/暴落している交易品の確認などが可能です。
4Gamer:
現在そういった情報は,プレイヤーが運営するサイトでも,ある程度はチェック可能ですけど,オフィシャルな情報がリアルタイムで取得できるわけですね。
竹田氏:
ゲーム世界はかなり広いので,ゲーム内ですべての情報を入手することは難しいじゃないですか。そこで,情報収集の補助手段として活用してもらおうと,この機能を開発しました。
情報は,メールで送信する形ではなく,プレイヤー自身が情報を取得しにいった段階で得られるので,無駄なパケット代がかかることもありません。ぜひゲームに役立ててほしいですね。
4Gamer:
ゲーム内の経済システムも,どんどん進化していきそうですね。「@モバイル」があれば,いつでもどこでもゲーム世界とふれ合えるわけですし,今後より一層の機能拡張を期待しています。
渥美氏:
「@モバイル」で自動回航の話が出ましたし,関連してプレイヤーの移動手段のお話もしましょうか。だいぶ先の話にはなりますが,船による通常移動や自動回航以外の移動手段についても何かしらの形でサポートできればいいなと考えているんですよ。
竹田氏:
今後,ゲーム世界はさらに広がっていきますからね。そのときに備えて,新たな移動手段は必要だと考えています。……現時点では,まだお話することはできないんですけどね。
4Gamer:
新しい移動手段となると,陸路かな……?
竹田氏:
んー,陸路もいずれはとは思っていますけど,それに関しては時期尚早かなぁと。まずは,あくまで洋上での新移動手段をと考えています。
4Gamer:
陸路でなく洋上の新移動手段ですか……。なんだろう,すごく気になりますね。
竹田氏:
気になってもらえると嬉しいですね。プレイヤーの皆さんにも,ぜひ思いっきり気になってもらいたいところです(笑)。
■冒険の新たな魅力となる「謎の宝箱」が登場
「@モバイル」での機能拡張は,あくまでサービス利用者のみが受けられる新要素ですが,プレイヤーなら誰でも楽しめる要素というのも,もちろん重視していまして。12月度のアップデートでは,「謎の宝箱」というものを実装します。
竹田氏:
謎の宝箱に入っているアイテムは,ランダムです。クリスマスシーズンですし,プレゼント的な意味合いを込めて,色んなところに仕込んでみようかなと。宝箱を開けるときには開錠スキルが必要なものもありますので,仲間と一緒に宝箱探しで盛り上がってください。
渥美氏:
入手方法としては,宝箱の定番としてどこかに隠されていたり,NPCを倒したときに入手できたり,あとは「くじ引き」の景品として用意しようと考えています。
4Gamer:
宝箱を得る手段として,くじ引きも導入されるわけですね。
渥美氏:
ええ。例えば道具屋で大量に買い物をすると福引き券がもらえるとかね。大航海時代という歴史を題材とした本作ですが,こういった遊び心は大切にしていきたいと思います。
あと,酒場娘からプレゼントをもらえるようにもしたいかな,と。
4Gamer:
プレイヤーからしたら,いつもプレゼントをあげるだけで,ちょっと切ないし(笑)。プレゼントがもらえたら,予想以上に喜ばれそうですね。
渥美氏:
これだけ貢いだんだから,俺にもなにかくれよということで(笑)。例えば友好度に応じてラッピングされたプレゼントボックスがもらえるとか,そういった要素を検討しています。
宝箱システムの実装やクラス別大海戦の仕様変更だけでも十分大規模なアップデートといえるが,「@モバイル」での「自動回航」や「世界情勢のチェック」といった追加/要素まで盛り込まれるというのだから,プレイヤーとしては嬉しい限りである。
近日中に掲載予定の「開発者インタビュー<後編>」では,いよいよ本題である2006年2月度の大規模アップデート内容や,それまでに実施予定のイベント情報などを中心にお伝えしていくので,ぜひお楽しみに。(Text by 大路政志 / Photo by kiki)
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