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「ギルド ウォーズ」,ゲーム内イベント「マイクさんと話そう!」の内容を一挙公開
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印刷2006/09/20 23:11

旧特集

「ギルド ウォーズ」,ゲーム内イベント「マイクさんと話そう!」の内容を一挙公開

 9月16日(土),オンラインRPG「ギルド ウォーズ」にて,同作の開発者にゲーム内チャットで質疑応答できるイベント「マイクさんと話そう!」が催された。「Campaign3 審判の章」のリリースまで一か月半と迫った今,ゲームシステムに関するさまざまな質問や,今後こういった機能を実装してほしいといったプレイヤーの要望を,開発者に直接届けるというのが主旨である。
 本イベントには,事前の一般公募の中から選出された12名のプレイヤーが参加し,同作の関係者らと共に,有意義な時間を過ごした。

 今回主に応対してくれたArenaNetのMike O'Brien(マイク・オブライエン)氏は,社内では開発総指揮の役職にある。筆者は過去にマイク氏へのインタビューを行ったことがあるが,こちらの質問に,身を乗り出すようにしながら熱心に答えてくれ,「じゃあ,ここはどうしたら良いと思う?」と逆に聞き返してくることもしばしばだった。とてもエネルギッシュな人物だったのをよく覚えている。

 なお,今回は開発チームのBen Miller(ベン・ミラー)氏も飛び入りで参加し,本作のありとあらゆる質問に応対できる準備が整えられていた。もちろん参加するプレイヤーに関しても,熱心なファンが揃っていたこともあり,今振り返ってもなかなか興味深い内容であった。
 それでは早速,この質疑応答の全文を紹介していこう。なお記事化にあたっては,原文のニュアンスをできる限り残しているものの,文章表現や順番などで,一部変更を施している点はご了承頂きたい。

写真左:Mike O'Brien氏は,ArenaNetを創設した3人の内の一人で,Guild Warsの制作総指揮をしている。「マイクさん」などと親しげに呼んでいるが,本当はとても偉い人だ 写真中央:本イベントは,Guild Warsの日本での販売元であるエヌ・シー・ジャパンが主導していた。進行を担当したGMは,フランクかつ臨機応変な対応が好印象であった 写真右:日本語で質問した後に,エヌ・シー・ジャパンのスタッフが「電話」でMike O'Brien氏らに伝える。ライブ感を極力損なわない,なかなかスマートな方法だ


■ゲーム全般に関する質問・要望
Q:
 アサシン,リチュアリスト,パラゴン,ダルウィーシュといった新しいコンセプトのジョブや,数多くの新スキルが導入されていますが,これらをどうやって創造しているのか,その過程が知りたいです。

A(Ben Miller氏):
 開発作業においては,できるだけ多くの関係部署からの「こんなのがカッコイイ」や「こんなのが見たい」という意見を取り入れるよう心がけています。開発者だけではなく,アーティストやデザイナー,プログラマー達をも含む,社員全員です。それと同時に,プレイヤーの皆さんのフィードバックも生かせるようにしています。
 スキルを作り出すときは,プレイヤーの皆さんがどのようなスキルを好んで使っているのか,どんなスキルが楽しんでもらえるかに重点を置いています。まぁ最終的には,「楽しくてカッコイイ」ものが選ばれる,ということですね。

Q:
 今後,RPGモードにしか登場しない武器を導入したり,「100対100」クラスの大規模PvPといったMMO的な要素を取り入れたりすることは考えていますか?

A(Mike O'Brien氏):
 Campaignがリリースされるたびに,新グラフィックスのRPGモード用武具をたくさん追加しています。もちろん,次の「Campaign3 審判の章」についても同様です。ゲームバランスを保つために,RPGモード用とPvPモード用の武具の性能は同じにしていますが,外見面で個性を付けることは重要ですからね。
 大規模PvPについての質問ですが,我々としても色々と試行錯誤を繰り返している部分です。ご存じの通り,「Campaign2 戦乱の章」では,12名同士による「同盟バトル」を導入しました。しかし,この規模を100人にまで広げてしまうと,既存のものとはかなり違ったゲーム感覚となります。パーティシステムやインターフェース,ゲームバランスといった多岐にわたる調整が必要となるでしょう。
 とても面白いコンセプトではありますが,現在はそこまでの規模の対人戦は考えていません。

Q:
 キャラクターを作成した後に,街で髪型などを変えられる機能が欲しいです!

A(Mike O'Brien氏):
 RPGモード用のキャラクターが,PvPモード用のキャラクターよりも個性的な外見にできるようには心がけています。フェイスタイプやヘアスタイルの変更についても,確かに多くのプレイヤーが望んでいると思います。
 しかし残念ながら,現在の作業量からいって,その機能に開発者を割くのは難しいのが現状です。今後の課題として取り上げていきたいと思います。

Q:
 ゲーム内で武器の「強化材」を販売する商人を設置してほしいです。それによって強化材の入手が簡単になるため,RPGモードを進める目的が薄くなるかもしれませんが,プレイヤー同士による取引時のぼったくりや詐欺は防げると思います。
 プレイヤー同士の取引については,外部BBSにおいて情報交換を行えるものの,この方法だと一部のプレイヤーにしか利便性がありません。ゲーム内で流通システムを作るほうが公平でよいと思うのですが,いかがでしょうか?

A(Mike O'Brien氏):
 確かに現状では,防具用の「ルーン」を販売する商人はいるのに,武器用の「強化材」を販売する商人はいません。これは武器の性能に可変性を取り入れたい,という理由からです。ちなみに既存のルーン商人は,需要が高ければ高いほど,うまく機能しています。最強クラスの強化材を売る商人については案に上がっていますので,今後実装される可能性はありますね。
 プレイヤー間の取引については,いわゆる「オークションハウス(競売所)」があれば解決する問題だと思うのですが,実装するとなるとかなり大きなプロジェクトとなるでしょう。「Campaign3 審判の章」では多くの新機能を追加するので,今回はそこまでは手が回りませんでした。

Q:
 パーティの編成をサポートするような機能が欲しいです。例えば,ギルドに所属していない人や,人数の少ない区域では,ほかの人と交流することがなかなか難しいです。また逆に,人が多すぎる区域では,チャットの流れるスピードが速すぎて,パーティ編成が適当になりがちです。この両面を補うために,パーティマッチのシステムがあっても良いと思うのですが。

A(Mike O'Brien氏):
 実は,ご質問のほとんどを解決すると思われるシステムを,現在開発中です。きっとご満足のいただけるものに仕上がると思いますよ。ただし,まだ極秘情報なので,今の時点では多くはお教えできません!

A(Ben Miller氏):
 Very Top Secret!



Q:
 ゲーム内には,韓国語や中国語といった,私達が普段タイピングできない文字の名前のキャラクターも参加しています。しかし彼らをフレンドに登録しようと思っても,(入力できない文字種であった場合)現状ではできません。なので,簡単にフレンド登録できるシステムを作ってほしいです。

A(Mike O'Brien氏):
 確かにそうですね。例えばエリア内で希望のプレイヤーをクリックして,「フレンド登録」ボタンを押すだけ,といった簡単にできる機能なら良いでしょうか。「Campaign3 審判の章」のリリース後には実装したいですね。

Q:
 ショップで防具や染料を購入するとき,それを着用したキャラクターの姿が事前にイメージできる,「試着室」のような機能があると嬉しいです。中にはかなり値が張るものもありますし……。このような機能の実装は可能ですか?

A(Mike O'Brien氏):
 それは大変良いアイデアですね。とはいえ残念ながら,現在のところ開発陣は「Campaign3 審判の章」の新機能の開発に全力で取り組んでいます。現在開発中ということではありませんが,いずれ実装したいのでご期待ください。

Q:
 今後,個人用の倉庫スロットを拡張する予定はありますか?

A(Mike O'Brien氏):
 個人用の倉庫スロットの拡張は,データベースにとても大きな負担をかけるので,現実的には難しいです。一般的なMMORPGの場合は,サーバーごとにすべてのデータが区分けされているのですが,ギルド ウォーズでは全世界のプレイヤーがグローバルサーバーに接続しています。なので,このグローバルサーバーに過剰な負担をかけないよう,細心の注意が必要なのです。
 とはいえ,皆さんが倉庫スロットの拡張を切望しているのも知っています。何か良い方法はないのかと常に考えており,今後も取り組んでいきたい案件です。

Q:
 人がなかなか集まらずに,せっかく用意されているコンテンツが遊べない,といったことが起こっています。例えば同盟バトルについても,リージョンごとに,拠点エリアを別々に支配できると嬉しいです。確かにトレードや経済面などの弊害もあるかもしれませんが,人口の少ないリージョンでも遊びやすいように調整できませんか?

A(Mike O'Brien氏):
 その懸念については非常によく分かります。そして我々としても,色々と考えている案件です。とはいえこれに関しては,技術面と運営面の両面で,複雑な問題が多々あります。
 なので色々な面から分析を進め,どのようにしたら良いのかを考えようと思っています。皆さんの意見を詳しく聞いてみたいので,フィードバックをぜひとも願いします。



■PvPに関する質問・要望
Q:
 「バルタザールの報酬」についてですが,すべてのスキルやアイテムを封印解除した後に,使い道を失ってしまいます。こういった場合のために,何か新たな使い道を用意する予定はありますか?

A(Mike O'Brien氏):
 「バルタザールの報酬」の使い道がなくなってしまわないように,尽きることのない“何か”があるべきだというのは同感です。社内でも色々話し合ってはいるのですが,最善策は今のところ出ていません。
 ゲーム内では,PvPの経済圏(バルタザール報酬)とRPGの経済圏(ゴールド)を分けていますが,これはうまく機能していると思います。二つの経済圏が影響しあわないような,新しい「バルタザールの報酬」の使い道を模索したいですね。

Q:
 ギルドホールの機能を拡張してくれませんか? 「Campaign3 審判の章」でアイテムも増えるはずですし,ギルドメンバー用の共有倉庫があると嬉しいです。
 それとバランスの調整が大変そうですが,戦闘時のマップに少し変化を加えてもらえると,戦略の幅が広がって面白いと思います。ギルドホールにオブジェクトが置けるなど,飾り程度でも良いので,何らかの方法でカスタマイズしたいです。

A(Mike O'Brien氏):
 実はギルドメンバー用の共有倉庫(Guild Storage)については現在開発中です。これは単純そうに聞こえるかもしれませんが,先のグローバルサーバーにも関係しており,かなり複雑な機能です。早急に付け加えたいものの,実装は「Campaign3 審判の章」のリリースから少し経ってからになると思います。
 ギルドホールの装飾ができれば楽しいですね。内部でもすでに話し合っている案件ですが,現在のところ開発作業には取り掛かっていません。
 あ……,そうだBen。ギルドホールの装飾はどんな物があったら良いと思う?

A(Ben Miller氏):
 うーん……,Glintとかの生物や,ギルドの記録を記した彫像はいいかもね。それで,シージタートル(Siege Turtle)に守らせるんだ!

A(Mike O'Brien氏):
 あともう一つの質問は,ギルドバトルのカスタマイズについてでしたね。それは「マップエディタ」のようなものをお考えですか?

Q:
 いま答えていただいたオブジェクトの中に,ギルドバトルの戦術面に影響を及ぼすものがあれば面白いなあ,という意味で聞いてみました。

A(Mike O'Brien氏):
 なるほど。ギルドバトルの開発をしているとき,そのようなアイデアは出ていました。例えば,デフォルトのNPCを使うのではなく,ボディーガードやアーチャーなどといったジョブの中から,プレイヤーが選べるといった具合に。
 ただし,カスタマイズさせる条件のバランスが難しそうです。仮にゴールドを使わないとカスタマイズできなくなると,公平さが損なわれてしまいますよね。たとえゲームバランスが取れていたとしても,片方のギルドが,もう片方がまだ買うことのできていないものを持っていたら,不公平に感じてしまうでしょうし。
 いずれにせよ,ギルドバトルは本作の大きな部分なので,新鮮に保ち続けることはとても重要です。今後もいろいろなアイデアを検討していきますので,皆さんもぜひともフィードバックをお寄せください。



■「Campaign3 審判の章」に関する質問・要望
Q:
 「Campaign3 審判の章」のバックグラウンドストーリーについて,現在言える範囲で教えてください。

A(Ben Miller氏):
 今回のストーリーの大部分は,プレイヤーがゲームを進めるうえで関わってくる12人の“ヒーロー”に関係しています。「Campaign3 審判の章」の開発にあたり,我々はこの部分に焦点を当て,そこからほかの要素を膨らませていきました。ヒーローの大きな特徴は,ストーリーが進展するにつれ,プレイヤーとともに育っていくことです。
 現時点でストーリーの内容を詳しく語るつもりはありませんので,ごく簡単にお話ししましょう。
 今回の舞台となる世界には,神をも脅かす邪悪な力がはびこっています。この力はこれまでのキャンペーンや,いくつかのイベントでもその兆候が感じられたはずです。なので,Campaign1やCampaign2をプレイした人ならば,そのときに未解決であった謎の答えが見えてくるかもしれません。
 現在言えるのはここまでですね。今まで本作をプレイされたことがない人も含め,前作を大きく凌ぐスケールの大きな冒険を約束しますよ。

Q:
 「Campaign3 審判の章」で「ヒーローバトル」が導入されるようですが,これはRPGモードとPvPモードのどちらかに追加されるのですか? それとも新しいゲームモードなのでしょうか?

A(Ben Miller氏):
 「ヒーローバトル」はPvPモード用として追加される,「Campaign3 審判の章」の最大のコンテンツです。プレイヤーは3人のヒーローを率い,同様にヒーローを従えた対戦相手とバトルを繰り広げます。ヒーロー達のスキルも個別に設定できるなど,かなりのカスタマイズ性があり,彼らをいかに巧みに動かすかが大きなポイントとなるでしょう。
ヒーローバトルは新たなPvP用モードとして,きっと楽しんで頂けると思います!

Q:
 私は「Campaign1」のように,クエストを経てスキルを集めるシステムが好きでした。「Campaign3 審判の章」では,そのようなタイプのクエストはありますか?

A(Ben Miller氏):
 「Campaign2 戦乱の章」では,ゲームの進行度に関係なく,自分の好きなビルドでプレイできるようなシステムを心がけました。なぜならば,自由度の高さがギルド ウォーズの最大のウリの一つで,同時にプレイヤー達が,好きなように遊べるようにするのが私達の目標でもあるからです。
 しかしこの手法だと,ゲーム開始後間もない,ゴールドが少ない状況において,防具やスキルをなかなか購入できないという問題がありました。これらの点も踏まえたうえで,今回はCampaign1とCampaign2の中間程度のバランスに調整しようかと考えています。

Q:
 「Campaign3 審判の章」以降のアップデートで,チームビルドの打ち合わせをサポートする機能が導入される予定はありますか? 例えば,前哨地などでパーティメンバーのビルドを確認できる機能があると,打ち合わせのときに大変便利です。

A(Mike O'Brien氏):
 はい,そのような案件も内部で話し合っています。具体的には,街にいるときにスキルバーを「Ctrl+クリック」することで,自分のスキルビルドをパーティに伝えられるようにしたいと考えています。
 実は「Campaign3 審判の章」のリリース時に,スキルパネルに変更が加えられます。今お話しした機能も同時に追加すると良いかもしれませんね。検討してみます。

Q:
 ペットについてなんですが,「Campaign2 審判の章」に“鶴”を登場させてくれたのが,日本人としてとっても嬉しかったです。アフリカや中東方面を舞台にした「Campaign3 審判の章」では,“象”や中東固有の犬(ファラオ・ハウンドやサルーキ)などを期待しているのですが,いかがでしょうか?

A(Ben Miller氏):
 新しいペットはCampaign3用だけじゃなく,Campaign2用にも追加されますよ! 実際に何が追加されるのかはまだ秘密ですが,きっと満足してもらえると思います。あ,そういえば9月22日から行われる“プレビューイベント”では,この新しいペットも登場しますね。

A(Mike O'Brien氏):
 Ben,プレビューイベントで見られるペットについて,何かヒントは教えてあげられないかい?

A(Ben Miller氏):
 うーんそうですね……,ペットの一つは,ピンク色です =)

Q:
 この前行われた「パラゴン」と「ダルウィーシュ」の先行体験イベントについてですが,ダルウィーシュ用の変身スキルを使った後にダンス(“/dance”コマンド)を行うと,グレンスがヘッドバンキングしたり,メランドルがブレイクダンスしたりと,職業にしっかり対応していたのが面白かったです。あのダンスは,そのまま実装されるのでしょうか?

A(Mike O'Brien氏):
 (デザインチームのところへ走っていき直接確認)はい,ダンスについてはあのままの形で実装されるようです。

Q:
 キャラクター用の追加スロットや,ピンズグッズ,あと「Campaign3 審判の章」のコレクターエディション日本語版などの販売予定はありますか?

A(G M Jiglead氏):(※NCJのゲームマスター)
 あ,それに関しては当社での検討事項ですね。もし販売などを行うときには,当社から告知を行わせていただきます。まことに申し訳ございませんが,これ以上のことは今,私からお答えすることはできません。

A(Mike O'Brien氏):
 (質疑応答が終わった後に)最後に,私から皆さんへお伝えしたいことがあります。「ギルド ウォーズ」の販売元であるエヌ・シー・ジャパンは,日本人プレイヤーの皆さんの声が,開発元であるArenaNetに正しく伝わるよう常に努力してくれています。なので本日話し合ったことなどで,何かご意見があれば,エヌ・シー・ジャパンまでお寄せください。
 これからももっと日本のプレイヤーの皆さんに楽しんでいただけるようにするため,皆さんの声がぜひとも必要なのです! 今日はイベントに来てくれてありがとう!

A(Ben Miller氏):
 9月22日からのプレビューイベントもよろしく! 新しいピンクのペットも見てね! =)

エヌ・シー・ジャパンのスタッフが質問事項を電話で伝えるなど,ライブ感を極力損わない工夫がなされていた。さりげない場面で運営側の手際の良さが光るイベントであった


 質疑応答の内容は以上である。パラゴンとダルウィーシュの仕様は判明しているものの,それ以外の実体があまり見えてこない「Campaign3 審判の章」については,今回のイベントを通じて大まかなイメージが掴めただろう。
 またゲーム内の仕様変更の中では,パーティマッチシステムが気になる人も多いはず。本作は拠点エリアの数があまりにも多いため,とくにギルドに所属していないプレイヤーにとって,パーティ編成の難しさが深刻な問題になりつつある。それだけに,パーティマッチシステムが導入されれば,プレイスタイルの大幅な改善が期待できるだろう。

 そして個人的には,Mike O'Brien氏のプレイヤー視点に立った応対が,とても印象的であった。例えば,耳の痛い質問や実装が無理な要望に対しても,いったいなぜ無理なのかを一般プレイヤーでも分かりやすいように説明していたが,これは実際に行動に移すのはなかなか難しいことである。またBen Miller氏がクライアントのアップデート作業でログインに遅れていたときも,「時間がもったいないから次の質問にいこうよ」と急かすなど,貪欲にフィードバックを吸収しようとする姿勢が,随所で感じられた。

 今回のようなユーザーイベントで,「フィードバックを下さい」とアピールするパブリッシャ/デベロッパは多い。ただしそれは,リップサービスの意味合いを含んでいる場合もままあり,プレイヤーとしては,本当に声が届いているのか,不安に思うことがあるだろう。

 しかし,少なくとも本作に限っては,そのようなことはないと断言できる。今回のイベントに参加した人達は,Mike O'Brien氏やBen Miller氏の真摯な人柄を多少なりとも実感できたはずだ。さらに言えば,開発チームのトップの人間が,実際に遊んでいるプレイヤーのところまで出向いてきてまで,フィードバックを貪欲に吸収しようとする姿勢こそ,本作が孤高の完成度を維持し続け,そしてGWFCといった世界大会が何度も催されている最大の要因の一つではないだろうか。

 彼等がこのような姿勢を維持する限り,本作のクオリティはこれからも向上し続けるだろう。そのことを実感させられたイベントであった。残念ながら今回のイベントに参加できなかった人も,本作をより良いゲームにするために,こちらのフォームからどしどし要望を寄せていただきたい。その声は,ArenaNetの開発チームに必ずや届くのだから。(ライター:川崎政一郎)

写真左:最後にMike O'Brien氏が熱心に語ってくれた場面を,念のためそのままの形で紹介しておこう。この,フィードバックを貪欲に吸収する姿勢に嘘はない 写真中央:最後は全員集まって/roarで記念撮影。わざわざ日本に直接来てまでイベントを開催してくれるスタッフ達には,本当に感謝したい 写真右:参加者にはこのような記念品が贈られた(左手に注目)。性能面がどうこうというよりも,忘れられない思い出の品になっただろう
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