インタビュー
メインクラス/サブクラス入れ替えサービスについても言及。「リネージュII」プロデューサー長瀬健裕氏にインタビュー
国内におけるリネージュIIの運営の,舵を取る立場にある長瀬氏に,同作のこれまでの流れや現状,今後の展開などについて,たっぷりと語ってもらった。料金体系や,メインクラス/サブクラス入れ替えサービスについても話が聞けたので,リネージュIIプレイヤーはぜひともご一読を。
「リネージュII」は5周年を迎えられたのは
優良なユーザーとドワ娘のおかげ?
本日はよろしくお願いします。まずはじめに,リネージュIIにおける長瀬さんの役割を教えてください。
長瀬健裕氏(以下,長瀬氏):
現在,私はプロデューサーとして,エヌ・シー・ジャパンでMMORPG「リネージュII」に関わっています。リネージュIIの基本的な部分から,ビジネス的な部分まで,トータルで管轄しています。
4Gamer:
リネージュII日本サービスの舵を取っている立場である,と考えてよろしいでしょうか。
長瀬氏:
はい,そういうことになりますね。
4Gamer:
5周年記念特設サイトのムービーインタビューを拝見させてもらったのですが,長瀬さんは5年前,つまり正式サービス開始時あたりからリネージュIIに関わっていたとか。
長瀬氏:
はい。エヌ・シー・ジャパンへは,ちょうどリネージュIIが正式サービスを迎えるタイミングで入社しました。
4Gamer:
最初は,リネージュIIにどのような形で関わっていたんですか?
長瀬氏:
最初はユーザーサポートという形でリネージュIIに関わり,その後は事業課のほうで仕事をするようになりました。
4Gamer:
2009年6月25日に,リネージュIIは正式サービス5周年を迎えましたが,この5年を振り返ってとくに印象に残っている出来事はありますか?
長瀬氏:
この会社に入る前,個人的にリネージュIIのオープンβテストをプレイしていたんです。もともと一ファンだった人間として,正式サービスに携わり,サービスが成功する過程に関われたというのが,非常に嬉しいですね。
プレイヤーとして遊んでいたときには,私は自分以外のリネージュIIプレイヤーのことを,あまり理解できていなかったと思うんです。でも運営に携わり何度かのリネージュIIのオフラインイベントを通じて,実際にファンの方と接する機会が得られました。皆さんとても熱心で,リネージュIIが好きなんだなぁと心底感じました。そのときはすごく感動しましたね。
先日名古屋で行われたオフラインイベントも,非常に好評でしたね(関連記事)。私も何度かリネージュIIのオフラインイベントを取材をさせてもらいましたが,運営側のスタッフとの対話の機会があってもネガティブなことはほとんど口にせず,純粋にイベントを楽しんでいる姿がすごく印象的でした。
長瀬氏:
もちろん,ネガティブな意見が出るというのは私達にも原因がありますから,そこは真摯に受け止めていかなくてはいけませんが,やはり,ネットなどでネガティブな意見を言っている方も,リネージュIIが好きだからこそという部分が少なからずあると思います。そういうファン(?)の方の意見も,大切なものであることに変わりはないので,常に参考にさせてもらっています。
4Gamer:
これはリネージュIIだけではなく,御社のオンラインコンテンツ全般に当てはまることだと思うのですが,ゲーム内掲示板と公式掲示板の連動や,playncブログの展開などを通じて,ユーザーコミュニティを積極的に“囲い込む”施策を打ち出し,結果を出されていますね。
長瀬氏:
掲示板,というかインターネット上のコミュニティって,ネガティブな意見のほうが“声が大きく”感じられますし,それに引っ張られてどんどんネガティブな意見がふくらんでいきがちですよね。なので,最初はコミュニティの囲い込みに関して,すごく悩みました。
でも,幸いなことに優良なお客様が多く集まってくださり,節度を持って,密度の濃いコミュニティを形成してくれています。やって正解だったな,と今になって思います。
4Gamer:
ユーザーコミュニティを囲い込んだことは,どちらかというと,デメリットよりはメリットのほうが大きいですか?
長瀬氏:
何かこちらの不手際があって,それに関する意見でコミュニティが荒れてしまう場合は,どうしようもないんですけどね。そこは我々の責任であり,課題です。
しかし,他社様のコミュニティと比較して,弊社のユーザー数が多いという点も相まって,ちょっとくらいのネガティブな意見も,ほかの楽しい意見や,ゲーム情報のやりとりによって,覆い尽くされてしまうような傾向があるのかもしれません。幸か不幸か,とかく荒れやすいMMORPGのコミュニティにしては,おかげさまでそこまで酷い思いをしたことはありません。
4Gamer:
今始まった話ではありませんが,近年,日本で運営されていたMMORPGが次々とサービス終了を迎えています。そんな中で,リネージュIIの正式サービスが5年も続いた要因は,どこにあると思われますか?
僕は,最初リネージュIIをプレイしたときに,ドワーフ娘のデザインから受けた衝撃が忘れられないですね。
4Gamer:
確かにドワーフ娘にはびっくりしました。こういう解釈しちゃうんだ……と(笑)。
長瀬氏:
でも,認めたくなるような形っていうか,「もうこれでいいじゃん」って思えるデザインでもあります(笑)。そこも含めて,今でもリネージュIIのキャラクターデザイン/グラフィックスって,今ほかのMMORPGと比較しても,さほど見劣りしないんですよね。
4Gamer:
当時,絵が綺麗過ぎて挙動が重い,PCを新調しなければまともにプレイできない,と言われていたリネージュIIだからこその特長ですね。現時点でも,さすがにハイエンドとは言えなくなってきていますが,ほかのMMORPGと比べても,決して劣っているように見えないのはすごい。
長瀬氏:
グラフィックスのクオリティを下げて,動作を軽くし,プレイヤーの母数を増やそうというやり方は,決して間違ってはいないと思います。しかし,リネージュIIの類似タイトルで,ここまでしっかりと作り込んでいる作品はまずないような気がするんですよね。
4Gamer:
ここ数年,グラフィックス面ではリネージュII以上のタイトルも頻繁に見られるようになりましたが,コンテンツの充実度という観点からも,リネージュIIは(韓国産MMORPGの中では)圧倒的といえるほどの存在感を放っているのは事実でしょうね。
長瀬氏:
ええ。時間が経っても見劣りしないグラフィックス,時間が経ったからこそ充実しているゲーム内コンテンツ。その2点が,リネージュIIが5周年を迎えられた最大の理由だと思います。
5周年記念を機に日本の独自性を打ち出していく
「NCJの運営だから楽しい」リネージュIIにしたい
5周年記念を大々的にプロモーションする上で,苦労した点などはありますか?
長瀬氏:
特設サイトを見てもらえば分かると思うのですが,日本オリジナルのイラストをアピールポイントにして,お客様に伝えたいなって思ったんですよね。ですが,これをどう見せたら格好いいのかっていうのは,なかなか僕らじゃ分からない部分もありまして(笑)。そこをかなり悩みましたね。
4Gamer:
ちなみに和風イラストは,5周年記念のために作られたものなんですか?
長瀬氏:
5周年記念,というわけではないのですが,日本の独自性をアピールしたくて発注したものです。5周年のコンセプトはまさしくそれで,お客様に「これから日本の独自性を出していきますよ!」っていう姿勢を打ち出していきたかったんですよね。そういった中で,5周年記念で表に出すのが一番タイミングが良かったということです。
4Gamer:
あのイラストを元にした装備が,ゲーム内アイテムとして実装される予定もあるんでしょうか。
長瀬氏:
出したいとは思うんですけれど,それを出してファンの方は嬉しいのかなって思う部分がありまして……。現在検討中です。
4Gamer:
どうなんでしょう。個人的にはちょっと期待しているのですが。
長瀬氏:
実装されればされたで素敵だと思うんですけれど,戦闘中に着れなかったら意味がない気がするんですよね。「礼服」のように,基本的に村の中でしか使えないのであれば,あまり喜ばれないかなと思いますし,それよりはもっと違う開発に力を入れたほうがいいと思います。
今回の5周年記念イベントで,サーバー対抗戦やゲーム内イベントもいくつか行われましたが,このあたりも日本独自のものなのでしょうか。
長瀬氏:
サーバー対抗戦は,完全に日本独自です。
4Gamer:
相当大がかりな企画についても,日本独自のものが行われるようになってきているんですね。そういうところも含めて,どんどん日本ならではの展開をしていこうということなんですね。
長瀬氏:
はい。システムが同じでも,運営する会社によって違いが出せると思うんです。そんな中で,「エヌ・シー・ジャパンの運営だからリネージュIIは楽しいんだよね」と言われるように,これからも努力していきたいと思います。ですので,面白いアイデアがあれば,どんどん取り入れていきたいですね。
4Gamer:
となると,今後は韓国の情報サイトだけを追っていても,リネージュIIの最新情報を先取りすることはできなくなる可能性がありますね。
長瀬氏:
ええ,そのとおりですね(笑)。
4Gamer:
韓国の情報サイト……という話とも,先ほどのコミュニティの囲い込みの話とも関連するのですが,いわゆる攻略Wikiや大規模な個人情報サイトが,ほかのMMORPGと比べて若干少ないというのも,リネージュIIの特徴といえば特徴ですよね。初心者にも分かりやすい攻略サイトが,タイトルの規模からすると意外と少ない。
長瀬氏:
そうですね。個人的には開発側が悪いというのも正直あると思います。たまにゴロっと仕様が変わりますよね。それまで積み重ねてきた攻略データが,一度のアップデートで意味をなさなくなってしまっては,さすがに情報をまとめる側もきついでしょうし。
でも,皆さんゲーム内の掲示板で情報交換されていて,僕もよく使います。ゲーム内の掲示板だと,教える側も完全には教えてくれなかったりするので,普通の攻略掲示板とは,まったくイメージが異なりますよね。そういった部分はすごくいいなと思います。
ところで,ネットカフェでの接続時間は,韓国などでは人気のバロメータとして活用されていますが,日本においては,「モンスターハンター フロンティア オンライン」とリネージュIIが飛び抜けて接続時間が長いという話をよく聞きます。
長瀬氏:
新しくリネージュIIをプレイした方のきっかけとして,「友達に勧められた」というケースが非常に多いのが,リネージュIIの特徴でもあるかもしれません。やっぱり友達を誘うときに,わざわざ家に呼ぶというのも難しいですし,手軽に利用できるネットカフェでやるのが,一番いいんですよね。
実際にネットカフェの方に聞いても,新規ユーザーさんが増えているタイトルというと,リネージュIIだという意見がズバ抜けていますね。やっぱりお友達が隣でレクチャーしてくれるっていうのが,大きいんでしょうね。一緒に遊べるレベルまで育ててくれるという話もよく聞きます。ネットカフェは今後も大事にしていきたいですね。
4Gamer:
オフ会も盛んな印象がありますよね。
長瀬氏:
そうですね。結構行われているみたいですね。よく聞くのが,サーバー別のオフ会もかなり行われているということですね。やはり話題が合うっていうのが大きいんでしょうね。
4Gamer:
今後のオフラインイベントの展開などは?
長瀬氏:
ぜひやりたいですね。去年はかなりやりましたけど,血ヘドを吐くほどキツくて。なので,さすがに毎月はできないと思いますが(笑)。
4Gamer:
今年はタイトルごとに展開していくのでしょうか?
長瀬氏:
そうですね。去年も「リネージュ」のイベントを1回やって,今年も3月にやっています。エヌ・シー・ジャパン運営コンテンツですべてオフラインイベントをやるという,一つのブランドにしていきたいのですが,時期をかぶらせるわけにもいかないので,あれこれ悩んでいます。
たとえば,今年の7月に「The Tower of AION」(以下,AION)のイベントがあったということもあり,なかなか難しい部分もあるんですよね。リネージュIIに関しては,今年は名古屋でしかやってないので,色々なところを回りたいのですが,まだちょっと確定するには至っていません。
高い? 安い?
リネージュIIのサービス料金について
リネージュIIのサービス料金に関して,お話をうかがいたいと思います。現在リネージュIIは,月額課金3000円のほか,有料アイテムの販売や,いわゆるガチャなども導入されていますよね。
長瀬氏:
これを,ハイブリッド課金,と一言で言い切ってしまうのも難しいのではないかと考えています。「月額料金も払って,有料アイテムも買わないとゲームが遊べないの?」と思われるのが,運営側としては一番イヤなんですよね。
エヌ・シー・ジャパンとしては,月額料金のみで普通にプレイできるというのは基本で,それだけで何でもできるし,遊べるという状態にしているつもりです。ただ,どうしてもプレイ時間が取れないというお客様のために,助けてあげたいなというのがまず一つあります。
とはいえ,有料アイテム販売はやはり難しいですね。コンセプトが少し変わっただけで,まったく受け取られ方が変わってしまいますし。それなら,月額制オンリーのほうがいいのではないか,という意見ももちろんあります。月額制の良さというものは確実にありますしね。
4Gamer:
有料アイテムのラインナップに関しては,今後も変わらずといったところでしょうか?
長瀬氏:
はい,基本的な方針として,武器や防具を直接販売することはしないですね。
4Gamer:
それは,CグレードやBグレードの装備など,幻影兵器や量産装備の登場で価値が下がってきたものに関しても,販売する予定はないということでしょうか。
長瀬氏:
はい,少なくともリネージュIIにおいては,(武器や防具を)販売してしまったらダメだと思うんです。防具に関しては,どこまでが防具かという線引きが難しいところもありますが,基本的には,「有料アイテムの強い武器がないとパーティに誘ってもらえない」という状況を生みたくはないんですよね。ゲームとして面白くなくなってしまうので。
4Gamer:
「リネージュ」が基本プレイ料金無料のアイテム課金制になったり,中国では近頃,リネージュIIの部分有料制がスタートしたという話を聞きました。AIONですと,基本的には月額3000円相当のサービスですが,支払いコースがいくつか用意されています。リネージュIIにおいては,料金体系の見直しや,支払いコースの拡充などを行う予定はありますか?
長瀬氏:
それで新規のユーザーさんが増えてくれるのであればいいのですが,あまり複雑にしたくないと思ってます。冬くらいには新たな提案も考えているので,もう少々お待ちいただけると幸いです。
4Gamer:
有料アイテム販売についての,プレイヤーからの反応はどうでしょうか。
長瀬氏:
買わない人からみたら,「そんな高いの買わないよ」という意見が主流になりますね(笑)。でもそれはそれでいいと思うんです。ゲームバランスに大きな影響を及ぼすようなものは,基本的に販売していませんし,欲しい人だけに買っていただければいいかなと。
4Gamer:
個数限定のアイテムなどは,基本的に数日で完売していますよね。これは売れていると判断していいのではないかと思うのですが,その辺はいかがでしょう。
長瀬氏:
実は,個数についてはそんなに多く出していないんですよ。出したら出したで売れるのかもしれないんですけど,そのあたりは,商売が下手なのかもしれません(笑)。
4Gamer:
基本料金が無料のタイトルですと,いわゆるガチャが収益の柱になっており,ゲームプレイと切っても切れない要素にもなっていますよね。最近では,リネージュIIでもガチャがプレイできるようになりました。
長瀬氏:
1回100円でマジカルダーツ,1回200円でラッキーゲームを提供しているのですが「大損した!」「本当は当たりが入ってないんじゃないの?」などと言われないよう,賞品のラインナップには気を配っています。
4Gamer:
お金に関わる部分に関して,プレイヤーからの否定的な意見などはないのでしょうか?
長瀬氏:
もちろん良い意見も悪い意見もいただいています。ですので,基本の3000円で楽しめるというラインは変えずに,ゲームのクオリティを保っていきたいと考えています。
5年経ったリネージュIIのゲームバランスと
メイン/サブクラス入れ替えサービスについて
この間の名古屋のイベントで大規模アップデートのお話がありましたけど,そちらは韓国ではすでに実装されているものですよね。
長瀬氏:
そうですね。韓国ではちょっと前に入りました。
4Gamer:
基本的に,同じ内容のアップデートが日本でも行われると考えていいのでしょうか。
長瀬氏:
ええ,韓国に入ったものは,日本でもほぼ入ると思ってもらっていいと思います。国ごとに微妙な違いもありますが,その辺は随時調整しつつといったところでしょうか。
4Gamer:
リネージュIIのアップデートの流れを見ていると,近年とくに,プレイヤーに対するストレスを減らしていく方向に進んでいると思います。数年前と比べて,レベリングが非常にラクになっていますし,狩りに必要な補助魔法なども,NPCや有料アイテムを通じて得られます。また,幻影兵器や量産武器の登場などもあり,「武器がないから遊べない」「武器を失ったから引退」というケースもなかなか起きにくくなっていますよね。
長瀬氏:
はい,そのとおりですね。
4Gamer:
ただその一方で,ゲーム全体のキャラクターレベル帯が上に寄ってしまって,それにより低〜中級キャラクター/下位グレード周りの経済バランスが若干崩れているところも見受けられます。そういう意味では,ゲーム自体は“ラク”になっているものの,初心者にやさしいゲームだとはちょっと言い難い状況だと思います。
長瀬氏:
それについては,開発/運営が一丸となって取り組むべき問題ですね。初期村が閑散としているのを,どうやって活性化していったらいいかという基本的な問題から,狩り場や経済バランスをどうしようとか,いろいろと考えなければならない部分は多いです。
また現在,初心者応援団というのをやらせていただいているのですが,せっかく来ていただいているお客様に退屈な思いをさせないように,社内のキャラクターがゲームに入って,「こういう遊びができるんだよ」「パーティはこうやって組むんだよ」など,お客様がいない分を初心者応援団でサポートしていかなければならないと感じています。参加していただいているお客様には,好評いただいているように思います。
とはいえやはり,5年も運営していると,どうしても上のレベル帯にシフトしていくのは仕方がないことなので,高レベルキャラクターを対象としたアップデートに注力するのは,非常に大切なことです。リネージュIIを1番遊んでいただいているお客様に「つまんない」と言われるわけにはいかないですしね。そこはオンラインゲーム経営の難しいところでしょう。
4Gamer:
そういった,高レベルキャラクターを対象としたサービスとして,メインクラス/サブクラス入れ替えサービスというものが,韓国では実施されていますよね。こちらは,日本では行われないのでしょうか?
長瀬氏:
実は韓国だと,それ以外にもアカウントをいじるサービスがあるんですよ。
4Gamer:
アカウントをいじる,ですか?
長瀬氏:
はい。アカウント間でキャラクターの移動ができるんです。韓国では,住民登録番号を基準に,一つの住民登録番号でいくつかのアカウントが作成できるため,そういったサービスが可能なんです。
4Gamer:
それに関しては,ちょっと日本では難しそうですね。アカウント売買を助長することになりますし……。
長瀬氏:
メインクラス/サブクラスの入れ替えに関しては,たくさんのご要望をいただくのですが,それと同じくらい反対の要望もいただいています。
4Gamer:
反対の理由としてはどのような声が?
ゲームバランスが大きく変わってしまう,もっというとキャラクターが変わるって感じですよね。ですので,メインクラスとサブクラスを入れ替えても,そんなにいいことは起こらないと思う人が多いようです。
韓国で行ったときも,反対の声が多かったという話を聞いていますし,我々はそれを知っているので,現状,メインクラス/サブクラス入れ替えサービスを,日本で導入する予定はありません。
4Gamer:
なるほど,残念に思う人,安心する人それぞれいると思いますが,日本独自の展開としては,興味深い施策ですね。
そのほかの付加サービスや,リネージュIIの今後について,何か言えることがあればお聞きしたいのですが。
長瀬氏:
付加サービスはどんどん拡大していきたいのですが,そこに関する要望のパターンが,実はあまりないんですよね。なので,現在検討中といったところです。トータルで見て,これで皆さんが満足できる,というものが生まれてくれば,推し進めていきたいです。
4Gamer:
それでは最後に読者にメッセージをお願いします。
長瀬氏:
ゲームが元気な状態で,5周年を迎えられたというのがすごく嬉しいです。これを折り返し地点として,10年以上この状態を続けたいなと,本気で考えています。またお客様の趣味も5年で大きくシフトしていると思いますが、それに合わせてリネージュIIもどんどんシフトしていきたいと思っています。
今後も末永くプレイしていただきたいと思います。今後もよろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
そんな中,具体的な数値こそ教えてもらえなかったが,月額3000円という比較的高額な料金設定のサービスでありながら,「アクティブユーザー数は,現在も順調に伸びている」(長瀬氏)というリネージュIIは,やはり,数少ない“大成功している”MMORPGだといえるだろう。
鳴り物入りで日本に上陸し,数々の大規模アップデートを経て,5周年を迎えてもなお代表的なMMORPGであり続けているリネージュIIではあるが,新規プレイヤーにとって複雑すぎるゲームシステムや,序盤エリアの過疎化,プレイヤー層の高レベル化に伴うゲーム内経済システム,不正利用者/RMT問題など,問題は山積している。5周年を迎えたからこその弱みと強みを,今後長瀬氏はどうコントロールしていくのか。オンラインゲーム市場の行く末を占う意味においても,リネージュIIの今後の展開に注目したいところだ。
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