プレイレポート
王位継承を巡る政争にプレイヤーが巻き込まれる!?「RO」大型アップデート「Banquet For Heroes〜七王家とユミルの心臓〜」プレイレポート
今を去ること8年前の2008年3月4日に,「Episode6.0 Beginnings and Upheavals」の第3弾アップデートとして「名もなき島」が実装された。この島にある修道院の地下牢獄で,ルーンミッドガッツ王国の国王トリスタン3世が無惨な姿で発見される。
本来ならば大事件のはずだが,その後のパッチで実装された「王位継承」クエスト以降,ルーンミッドガッツ王国についてほとんど語られることがなかったため,「そんなこともあったかな?」と忘れかけているプレイヤーも多いのではないだろうか。ストーリー的にも,異世界で魔王モロクが暴れていたせいで,そんなことに関わっている暇がなかった……という理由もあったようだが。
そうした背景のもと,ルーンミッドガッツ王国で王位継承に関わる政争にプレイヤーが巻き込まれていくストーリーが,今回の「Episode:Banquet For Heroes〜七王家とユミルの心臓〜」で描かれる。より詳細なバックストーリーを知りたい人は,公開されている特設サイトに記されているので,ぜひご一読を。
さて,今回4Gamerは,このアップデートに先立ってガンホーでテストプレイを行ってきた。本稿では,アップデートで実装される新ダンジョンや新装備,新カード,そしてこれらにまつわる新システムを中心に紹介しよう。
メインクエスト「七王家とユミルの心臓」は,謎と権力闘争にまみれたサスペンスシナリオ
前述したとおり,今回のメインシナリオは,ルーンミッドガッツ王国の王位継承がメインテーマとなる。その舞台には,ルーンミッドガッツ王国だけでなく,ROの首都といっても過言ではないプロンテラの街とプロンテラ城も含まれる。
プレイヤーは,魔王モロク討伐記念の祝宴に,功労者の一人として招かれるのだが,その裏で,ルーンミッドガッツ王国の新国王就任の見届け人になってほしいと依頼される。
この祝宴への招きと,王位継承の見届け人としての依頼は,クエストという形でスタートする。「七王家とユミルの心臓」クエストへの参加条件は,異世界クエストのクリアだけで,ハードルは非常に低い。名もなき島でトリスタン3世を見ていなくとも,話は進むとのことなので,安心して参加しよう。
クエストが始まるとプロンテラ城へ赴くことになるのだが,「祝宴なんてする場所があったかな?」と疑問に思うプレイヤーもいるだろう。実は今回のために魔王モロク討伐の祝宴が行われる大広間や,王位継承に関わる七王家が控える離宮が,新マップとして追加される。
ルーンミッドガッツ王国の建国には7人の人物が関わっており,その家系を七王家と呼び,その代で優秀な人物を国王に選んでいたという。その七王家と,それぞれの王位継承者は以下のとおりだ。
プレイヤーは祝宴に参加しながら,七王家の人物と話をするうちに,ある事件に巻き込まれることとなる。七王家に隠された謎と,その真相を探っていくうちに……という,ちょっとサスペンスっぽいストーリーが展開されていくとのことだ。
祝宴会場と離宮を舞台にした「七王家とユミルの心臓」クエストは,メインストーリーのほかに,いくつものサブクエストが用意されている。このサブクエストは,七王家や祝宴会場のスタッフなどから依頼されるもので,難度も低めとのこと。また,討伐クエストなどのデイリークエストも受けられる。サブクエストをクリアすると,「王家貢献の証」というアイテムが手に入るのだが,これについては後述する。
プロンテラを舞台にした4つのダンジョンが実装。過去のプロンテラで黒幕がプレイヤーを待ち受ける!?
メインクエストを進めていくと,折々でダンジョンに挑むことになる。今回のアップデートでは,通常ダンジョン「プロンテラ地下監獄」「侵攻されたプロンテラ」,メモリアルダンジョン「空中要塞」「過去の儀式の間」の計4つのダンジョンが実装される。
難度は「侵攻されたプロンテラ」がBaseLv100以上,「プロンテラ地下監獄」「空中要塞」がBaseLv150以上,「過去の儀式の間」がBaseLv160以上となる。これらのダンジョンの特徴は大きく2つあり,1つはモンスターが出現しないメインストーリー用のエリア,もう1つはガッツリとモンスターが出現する狩り場としてのエリアで構成されていることだ。
長澤氏は「メインストーリーはすごく面白いので,敵が出ないダンジョンで楽しんでもらいたい」と,その理由を話してくれた。
それでは,“現在の世界”で挑戦できる「プロンテラ地下監獄」から紹介しよう。プロンテラ城から行けるこのダンジョンの入場制限はBaseLv150以上となっている。
名もなき島にある修道院に似た雰囲気のプロンテラ地下監獄だが,出現するモンスターはアンデッドではなく,キャラメルに似た「タフィー」やウルフに似た「フローズンウルフ」といった新モンスター。少し大きくはなっているものの,見た目は低レベルなモンスターと同じだ。
しかし,ドラゴンブレスを吹いてきたり,ジャックフロストを使ってきたりと強さはまったく異なっている。
このほかにも,不滅のウィンドゴーストや不滅の呪われた騎士など,見た目こそ馴染みあるモンスターが多く登場する。ただし,その強さは比べものにならない敵ばかりなので気を引き締めて戦おう。
なお,このマップは「生体工学研究所:獄」と同様に,テレポートやアンクルスネアなど,一部のスキルが使用禁止になっている。
プロンテラ地下監獄のもっとも恐ろしく,そしておいしいところが,牢屋に収監されている囚人だ。
過去にプロンテラを脅かしていたというそれらの囚人は,なんと様々なダンジョンに出現するMVPモンスターの姿をしている。これら囚人は7体いて,ときおり牢から抜け出ては,ダンジョン内を彷徨っているというのだから恐ろしい。この囚人を倒すと,その姿のMVPモンスターが持つカードはもちろん,邪念系装備をドロップするので,狙って狩りに向かうのもアリだろう。
次に紹介するダンジョンは,“過去のプロンテラ”を舞台にした「侵攻されたプロンテラ」だ。ここへは七王家とユミルの心臓クエストを進めると行けるようになる。
「侵攻されたプロンテラ」は,ダンジョンというよりも,プロンテラを舞台にしたフィールドのような作りをしている。
マップ北西の旧剣士ギルド前あたりでは,上空から落ちてきた「空中要塞」がプレイヤーを待ち受けている。このダンジョンは,本格的な狩りの場というよりも,インスタンスダンジョン「空中要塞」の通路,といった意味合いが大きい。しかし,少なからず新モンスターも出現し,そのドロップも結構おいしいので,狩り場としても問題はなさそうだ。
「侵攻されたプロンテラ」から行けるメモリアルダンジョン「空中要塞」は,ハック&スラッシュ的なダンジョンになっている。
回廊のように上層部を目指して進んでいくダンジョンで,「ビオスの島」や「モルスの洞窟」の次に目指すダンジョンとして設計されているそうだ。入場制限はBaseLv150以上で,入場は1日1回までとなっている。
空中要塞の内部は基本的に一本道だが,その途中には扉がある。この扉の先は部屋のようになっていて,クリアした部屋の数によって,空中要塞クリア後のクエスト報酬が増える。
最上階には,MVPボス「S・J・アーネストウルフ」が待ち受けている。取り巻きとしてアンデッドモンスターが次から次へと湧いてくるので注意が必要だ。
最後に紹介するインスタンスダンジョン「過去の儀式の間」は,今回のメインシナリオのラストを飾るダンジョンだ。ここでは,メインストーリーを締めくくる「ビジョウ」に決戦を挑むことになる……というよりも,ビジョウとの戦闘のみ(前座のモンスターもいるが)を行うダンジョンになっている。
戦闘はいくつかのフェーズに分かれており,最初は新モンスターのパワフルスケルトンシリーズと戦い,次にパワフルアムダライスと戦う。この2つのフェーズを経て,ビジョウとの決戦に至るわけだ。
今回のアップデートで実装されるダンジョンはこの4つで,プロンテラ地下監獄を除けば,ほとんどのモンスターが人間形で,敵の属性が不死属性となっている。これらの弱点を突いた装備やスキル,耐性防具を調えておくと攻略しやすくなりそうだ。
また,新ダンジョンに出現する新モンスターのほとんどに,カードが実装されている。新装備もドロップするとのことなので,積極的に狩りに行ってみよう。
デイリークエストをクリアして「ニーヴエンチャント」装備を手に入れよう
新ダンジョンのモンスターに,新装備品が多数実装されているのは前述のとおりだが,そのほかにアイテム関連で大きなトピックがある。
その1つが「ニーヴエンチャント」だ。これは2015年のアップデート「Episode:Memory Record」で実装された装備品,エクセリオンシリーズやライオットチップのように,特定の装備品に対して特殊なエンチャントを行えるというシステムになる。
ニーヴエンチャントを行える装備品やエンチャントの実行には,離宮で受けられるクエストのクリア報酬「王家貢献の証」が必要となる。交換して得られる装備品は,盾である「金剛石の盾[0]」と,アクセサリーの「栄光の証[0]」「輝く聖水[0]」「城下町の地図[0]」の4種類。これらを組み合わせることで追加効果が得られるものもある。
ニーヴエンチャントの基本システムはエクセリオンシリーズと同じだが,属性耐性と種族耐性は「金剛石の盾[0]」にしか付けることができず,同じカテゴリーの効果を2つ付けることはできない。また,パラメータ系がアップするエンチャントは,盾とアクセサリーのどちらにも付与できるが,精錬可能な金剛石の盾[0]であれば,精錬値が7のときと9のときに追加効果が得られるなど,より高い効果が期待できる。
金剛石の盾[0]はほかのアクセサリーよりも交換レートが低くなっているので,用途に応じてエンチャントしていくと良いだろう。
さらに,ビジョウが落とす「ダークハンド[1]」を装備すると,ニーヴエンチャントの効果をさらに高められる。ビジョウを倒すのは大変だが,ぜひ手に入れたい装備品だ。
また,ビジョウ撃破時にドロップする「ヴァルキリーの力の破片」をNPCに渡すと,「時魔術師のローブ[1]」と交換してもらえる。時魔術師のローブ[1]の精錬値を+9にすると,より強力な「超越者のローブ[1]」と交換してもらえるうえ,超越者のローブ[1]の精錬値を+9にすると「暴走した魔力」がエンチャント可能になる。
このローブシリーズは,時空のブーツとのセット効果もあるので,ブーツを愛用しているプレイヤーは挑戦してみるのもいいだろう。
そして,今回のアップデートでは,低級カードを集めて新カードに交換できるしくみも実装される。これはインスタンスダンジョン「過去の儀式の間」に出現するパワフルスケルトン,パワフルAスケルトン,パワフルSスケルトン,パワフルアムダライスの4体のカードが対象になっている。
これらのカードはモンスター撃破時のドロップで手に入るが,その下位モンスターのカードを複数枚集めてNPCに渡すことでも入手できる。例えば,スケルトンのカードを指定の枚数分持っていけば,パワフルスケルトンのカードに交換してもらえるといった具合だ。しかも,交換するだけではなく,すでに装備品に挿してあるカードをアップグレードしてもらえる。アップグレード時に装備品の精錬値が下がることはなく,また必ず成功するので安心して交換できる。
以上が,今回のアップデートで実装されるコンテンツの数々だ。ストーリーもダンジョンも,そしてアイテム関連もボリューム満点。ダンジョンなどのメインコンテンツは上位レベル向けではあるものの,低レベルからでもストーリーを楽しめて,レベルに応じた遊び方もできるのが嬉しい。
しかも,今回のメインストーリーはまだまだ序盤で,今後のアップデートでさらに深いところまで話が及んでいくのだとか。少し気が早いが,そちらも楽しみだ。
なお,韓国のROのアップデート情報をチェックしているファンは,今回のアップデートで韓国と同様にプロンテラの街並みがリニューアルされるのかが気になっているのではないだろうか。街のリニューアルといえば,良くも悪くもフェイヨンを思い出すが,日本ではアップデートに伴うプロンテラの街のリニューアルは行わないとのことだった。
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