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ベテラン開発者たちの新スタジオによるデビュー作に須田剛一氏が参戦!? 「Eternal Strands」の巨人と装備のコラボデザインを制作中![TGS2024]
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印刷2024/09/28 17:29

インタビュー

ベテラン開発者たちの新スタジオによるデビュー作に須田剛一氏が参戦!? 「Eternal Strands」の巨人と装備のコラボデザインを制作中![TGS2024]

 「Eternal Strands」PC / PS5 / Xbox Series X|S)は,「Dragon Age」シリーズなどを手掛けたベテラン開発者を中心に設立されたゲームスタジオYellow Brick Gamesのデビュー作だ。
 ファンタジー世界を舞台にした三人称視点のアクションアドベンチャーで,念力で敵やオブジェクトを操ってバトルや冒険に生かしたり,魔法の力で氷で橋をつくって道にしたりといったように,物理演算を取り入れたシステムを特徴としている。

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 そんな本作は東京ゲームショウ2024に単独で自社出展しているのだが,TGS 2024開幕前日の9月25日,4Gamerはなぜか同スタジオのCOO & Executive ProducerであるJeff Skalski氏と水道橋のスタバで待ち合わせをしていた。

 Jeff Skalski氏といえば,Electronic ArtsやUbisoftなどの大手ゲームメーカーにてDark Age of CamelotやWarhammer Online,アサシン クリードシリーズといったこれまた著名なゲームを手掛けていたベテラン開発者である。
 その人がなぜTGS 2024前日に,幕張ではなく水道橋に? というと,古くからの友人でありクリエイター仲間であるグラスホッパー・マニファクチュア代表の須田剛一氏に会いに来たと言うのだ。

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 GhMのスタジオに招かれるSkalski氏(と,ついてきた4Gamer)。スタジオにはすでにいい感じにくつろげる窓辺のソファーに,ゲームコントローラがつながれたPCとディスプレイが用意されている。各々が席について始まったのが,Jeff Skalski氏による「Eternal Strands」のプレゼンテーション。そしてそののち須田氏が,本作の特徴である巨大な敵とのバトルに挑む。

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 火の力を使う巨人に対し,氷の魔法で足を凍らせて動きを止め,巨人にしがみついて鎧の間に見える皮膚の部分を攻撃して体力を削ったり,弱点らしき場所の破壊を狙ったりして撃破を目指す。しかし強い! 最後はSkalski氏に代わり,プレイの見本としてボス撃破の方法を説明しながらそれをやってのける。

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 「いやすごい。もうほぼ完成だよね!」と興奮する須田氏は,どうやら以前にも「Eternal Strands」をプレイしていた様子。ちょっとそのへんの経緯をうかがうことに。

ということで,なんだかふわっとした流れで始まった取材? で話をうかがった皆さん。左からグラスホッパー・マニファクチュアのコンセプトアーティストの能丸督之氏,Jeff Skalski氏,須田剛一氏。なぜこの人たちが? というのはこのあと分かります
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4Gamer:
 以前にもプレイしたことがあるんですか?

須田剛一氏:
 2年くらい前で,多分最初のころのビルドだったかな。アートはまだできていなかったけど,その時点で遊びの部分はある程度できてましたね。物理ベースの仕組みもだし,氷や炎といった概念とかも。でかい巨人の敵も動いてましたよ。

 もともとJeffの開発チームって,Yellow Brick Games以前からすごく完成されたチームって感じだったんですよ。アニメーションじゃなくてフィジックス(物理演算)で動かすっていうのも前からのイメージで,その技術がほんとすごいんです。今回のゲームも,多分それを骨格に作り上げたんだろうなっていうのは,うん,実際プレイしてみると感じますね。

4Gamer:
 技術面はもちろん,精神性みたいなのも。

須田氏:
 そうそう,そうですね。

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Jeff Skalski氏:
 須田さんの言う通りで,フィジックスベースなところは私がゲーム開発をするうえで大切にしている部分なんです。それがあるからこそ本作も,何が起こるか分からないというワクワクがあるゲームになっています。

 以前,飛び回るドラゴンと戦っていたとき,背中にしがみついて戦っていたらドラゴンごと谷に落ちそうになったんですね。それをドラゴンの背を駆け上がるように自分はなんとか助かったということがあって。もう700時間ぐらい遊んでいますが,そういう驚きや発見はまだまだあるんだって私も思いました(笑)。

4Gamer:
 なんかふわっとインタビューっぽく始めちゃいましたが,そもそもJeffさんと須田さんってどれくらい昔からの付き合いなんですか?

須田氏:
 JeffがEAのころ? 15年とかもうそれくらいだよね。

Skalski氏:
 ちょうど須田さんが「シャドウ・オブ・ザ・ダムド」を作っているころですよ。「シャドウ・オブ・ザ・ダムド」といえばもうすぐリマスターが出るのが「やったー!」って感じですよ。開発者仲間の前に,私はまず須田さんのゲームのいちファンですから!
 だから私のゲームで須田さんとコラボレーションできることは本当に嬉しいです。

4Gamer:
 えっ,コラボですか?

須田氏:
 今回こうやってJeffが来てくれたのも,僕がJeffのゲームに出てくる巨人とキャラクターの装備のデザインをすることになったというのがあるんですよ。
 Jeffとはずっと昔から一緒になにかやりたいねという話はしていたんですが,Electronic ArtsやUbisoftのような大きい会社だとなかなか難しいところがあって。彼が独立系スタジオを設立して,やっとこういうことができるねという感じでコラボすることになったんです。

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4Gamer:
 それはGhMというより須田さんと,という感じなんですか?

須田氏:
 そうですね。僕が考えて,うち(GhM)のコンセプトアーティストの能丸にそれを形にしてもらってという感じで。アイデアを伝えて描いてもらって「うーん,それは違うな」なんて言ってお互いにリレーしながら。武器に関しては僕が全部ラフを描いて渡しているんです。すごく丁寧な。

能丸督之氏:
 ウソです。ウソウソ(笑)。

4Gamer:
 えっ?

能丸氏:
 具体的にお答えしなくていいんですか? 何ターンしたか。

4Gamer:
 何ターンなんですか?

能丸氏:
 今朝1ターン返したところです。

4Gamer:
 ええっ?

須田氏:
 あはは。いや,締切はね,Jeffから言われているので。そこはそれに向けてしっかりと,締切ギリギリにやっていきますので。

4Gamer:
 締切ギリギリにしっかりですか(笑)。

須田氏:
 いやね。大体いつもそんな感じなんで(笑)。真面目な話をすると,自分のところのゲームも作りながらその合間だったりで時間を作ってとかになると思うんですけど,ある程度のイメージはできていて。それもすでにJeffに「こういうことはできる?」って伝えてもあるんです。

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4Gamer:
 それはどのようなイメージを?

須田氏:
 分離とか変形っていうのはJeffには伝えたよね。セパレート。

4Gamer:
 分離と変形というと,ZZガンダムみたいな感じですか?

須田氏:
 いや,あそこまでのものは機構的にも難しいので,イメージとしてはキングジョーですね。分離してまたくっついて,そうすると装備のフェーズが上がったりみたいな。

Skalski氏:
 Yellow Brick Gamesのデザイナーも須田さんの作品が好きな人間なんですが,どんなメチャクチャなデザインを出してくるんだろうと今から汗をかいています(笑)。

4Gamer:
 期待と不安が入り混じったような汗を(笑)。須田さんのイメージを形にする能丸さんはいかがですか?

能丸氏:
 今日,実際にゲームで巨人との戦いを見ることができてよかったです。巨人には属性があって,ダメージが通る場所だとか,弱点となる箇所が複数あるとか,そういうゲームの敵としての共通のルールを理解できました。まだ1ターンですが,これからも須田とリレーしていいものを作り上げたいなと。

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4Gamer:
 ありがとうございます。お話を聞く感じ,ホントに動き始めなところでおじゃました感じだったんですね。

Skalski氏:
 私は29年くらいゲーム作りをしていますが,いまこうやって開発とパブリッシング両方を行う独立系のスタジオになって,本当にユニークなコラボができたことはとても嬉しいです。ただデザインしてもらうだけではなく,須田さんの描いた巨人を倒すと,その巨人がドロップした素材で今度は須田さんデザインの装備が作れるみたいな,ゲームサイクルと密着した形でのコラボにできればいいなと,いまからそれが楽しみです。
 なにより,このようにインディーを著名なクリエイターが手助けしてくれるというのは,すごくユニークだし意義のあることだと思うんです。本当に感謝ですね。

須田氏:
 いやいやとんでもない。うちもインディーみたいなものだから。
 でも本当にJeffはすごいと思う。1作目からここまでしっかりとした規模のゲームを作り上げるのって,インディーだとすごく難しいわけで。実際にそれで破綻してしまうスタジオもあるからね。

Skalski氏:
 そのあたりはベテランクリエイターも集まっているので,プランニングがしっかりできているかなと思います。
 たとえば,ここはもっと作り込みたいとかリッチにしたいってなったときに,ファイナンス面も考慮したうえでどの程度抑えるかみたいなコントロールと意思疎通ができるんですね。

須田氏:
 なるほど。それってやっぱり,企画が始まった時点で方向性や骨組みの部分がしっかりしているのもあるんだろうなあ。
 いろいろなところからクリエイターが集まっているスタジオって,もともといた現場によって文化も全然違うから,それでうまくいかないケースってあると思うんですよ。そうはならないでここまでまとめ上げてこのゲームを作っているのって,友人だからというのではなくお世辞じゃなくてすごいことですよ。

4Gamer:
 「Eternal Strands」はTGS 2024にも出展していて,さらに興味を持つ人が増えますよね。ゲーム自体もですが,そこに須田さんとのコラボっていうワクワクが加わってさらに注目度が上がるんじゃないかなと思います。ゲームの開発と,須田さんと能丸さんのリレーがいい感じに進むことを期待しつつ今後の「Eternal Strands」の展開を追いかけたいと思います。
 本日はありがとうございました。

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