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「タマネギ音楽祭 2019 〜アイツらが帰ってきた!」レポート。「勇者ヤマダくん」Nintendo Switch版の存在が明かされた開発者トークも
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印刷2019/03/06 12:00

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「タマネギ音楽祭 2019 〜アイツらが帰ってきた!」レポート。「勇者ヤマダくん」Nintendo Switch版の存在が明かされた開発者トークも

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 2019年3月3日,東京・秋葉原のライブハウス,CLUB GOODMANで「タマネギ音楽祭 2019 〜アイツらが帰ってきた!」と題した催しが開催された。
 これは,スタジオカリーブとOnion Gamesによるライブイベントで,ゲーム音楽でもお馴染みの作曲家・杉山圭一氏率いる「杉ヤマダ洋とクール・ファイブ」と,同じく作曲家の谷口博史氏率いるバンド「Trillion Black」がメインアクトとして出演したものだ。

 ライブでは,好評配信中の「BLACK BIRD」PC/Switch)の楽曲を含む,数々の演奏でファンを盛り上げたほか,トークパートでは,Onion Gamesが開発したスマホゲーム「勇者ヤマダくん」Nintendo Switch版の存在も明らかになるなど,ファンにはたまらない一夜となった。本稿では,当日の模様をレポートしていこう。

会場限定グッズも販売されたこともあり,物販も大きな賑わいを見せていた
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「BLACK BIRD」公式サイト



トークパートでNintendo Switch版「勇者ヤマダくん」がサプライズ発表


 まずは,ゲーム開発者によるトークパートの内容をお届けする。登場したのは,杉山圭一氏,ゲームクリエイターの木村祥朗氏,倉島一幸氏の3人。Nintendo Switch版「勇者ヤマダくん」の発表を含む最新情報のトークで会場を盛り上げた。

 木村氏はまず,自身の手がけたスマホ版「勇者ヤマダくん」がサービス終了した理由について振り返った。氏によると,運営を維持することは無理をしてやればがんばれたかもしれないが,果たしてそれが良い状態だと言えるのかと疑問を持っていたという。「勇者ヤマダくん」はアップデートで「2」がリリースされているが(関連記事),「1」で完結している作品とも言えるため,運営を続けていくことに違和感があったのだそうだ。

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 そして運営終了後の昨年末,木村氏は「ヤマダくんをコンシューマに移植できないか」とも考えたが,事はそう簡単ではない。「勇者ヤマダくん」のスクリプトシステムをコンシューマに移植するには,かなりの労力がかかるため,当時は断念せざるを得なかった。
 しかし,とある“知恵者”に相談をしたところ,コンシューマ移植への光が見えてきたという。そしてパブリッシャであるDMM GAMESにも「(移植の問題が)解決できたらやってもいいですか?」との打診を行ったそうだ。

 そんな経緯を経て,「勇者ヤマダくん」のNintendo Switchへの移植が決定。木村氏がそれを発表した瞬間,会場は歓声と拍手に包まれた。
 移植に当たってはただ要素を増やすのではなく,「勇者ヤマダくん」の良いところが活きるような内容にしたいとのこと。開発はまだまだこれからで,「変なものが出たらグッとこらえてください(笑)」と木村氏らしいジョークも飛び出したが,ぜひNintendo Switch版にも期待してほしいと話していた。

 もう1つの最新情報は,「勇者ヤマダくん」のサウンドトラックについて。すでに「勇者ヤマダくん 珍曲アルバム 〜A面・B面・C面〜」というサントラが2016年に発売されているが,こちらは「1」までの内容しか入っておらず,「2」の楽曲をサントラとして出してほしいという要望が多く寄せられていたそうだ。
 そこで木村氏は,「A面・B面・C面」の続編に位置するサントラとして,「X面・Y面・Z面」を作りたいと語っていた。CD未収録曲が「A面・B面・C面」の3倍ほどあるため,現在は「X面」「Y面」「Z面」を別々にするか,3枚セットにするかを検討している段階のようだ。

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 続いては,木村氏が現在制作している小規模ゲームの話題。木村氏はこちらの作品で,杉山氏に「音を付けてほしい」と打診しており,それがいよいよ現実味を帯び始めてきたことを明かした。
 ゲーム内容は,木村氏の代表作の1つである「moon」に収録されている人気コンテンツ「ジンギスカン」を大きくフィーチャーしたものであるという。木村氏は以前より,「今の自分達がジンギスカンを作ったらどうなるのか」と考えており,その構想が元になっているとのこと。

 トークの終盤で,木村氏は「大きなRPGを作りたい」と今後の展望を述べた。「moon」を振り返ってプレイしてみると「昔の自分に負けそうになる」そうで,RPGは簡単には作れないと作品作りへの苦心をにじませていた。
 新作のRPGに関しては,開発メンバー,資金,どんなRPGを作りたいのかといった構想など,すべてがモヤッとしている状態とのこと。しかし,いつどんなタイミングで発表されるかは分からないので,「発表されたら騒いでください」とファンに呼びかけていた。


「杉ヤマダ洋とクール・ファイブ」と「Trillion Black」のライブも大盛り上がり


 ここからは,ライブの模様をレポートしていこう。ライブは前後半に分かれており,最初に登場したのは,杉ヤマダ洋とクール・ファイブ。杉山圭一氏が率いるバンドだ。冒頭の「壊滅鉄道王の歌」「たたり婆の歌」からテンションマックスで,会場は初っ端から大盛り上がり。

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 MCで杉山氏は,昨年行われたライブでは高熱により体調が思わしくなかったため,途中で曲を止めてしまったことを振り返る。今回のライブには,そんな昨年へのリベンジも込められているそうだ。
 ライブでは,ファンからのアンケートによって選ばれた「ひきこもりぎみのきみへ」「ママゾンだゾン」なども披露され,会場のボルテージもさらに大きく上昇。その後は「ポイスラのタンゴ」「運命」「バトルタワーのブロンソン」「リバースイデオロギー」「岩井のズンドコ節」が披露され,最後まで演者とファンが一体となった素敵なライブを見せてくれた。

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 ライブ後半はTrillion Blackが登場。神聖な雰囲気の「チュウの御加護あらんかぎり」で幕を開け,続く「BLACK BIRD第1幕第1場 OPPIDUM」「BLACK BIRD第3幕第1場 NEO LUMINA」「BLACK BIRD第1幕第2場 NOCTE OPPIDUM」で観客を圧倒。来場者は皆,食い入るようにステージを見つめていた。
 その後も「男やもめのセレナーデ(チュウリップ)」「Happy Shabby Life(チュウリップ)」「珍獣戦隊ゼツメンジャー(チュウリップ)」と,往年のファン垂涎のナンバーが続く。

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 そしてラストはオペラ歌手・北薗彩佳さんが登場。北薗さんと言えば,やはりこの曲。そう,「BLACK BIRD」のラスボス戦での美しい歌声が印象的な「BLACK BIRD第4幕第3場 UNIVERSUM」だ。ライブとオペラコンサートの雰囲気の違いに少しだけ緊張している様子だった北薗さんだが,ライブが始まった瞬間にモードが切り替わり,圧倒的な歌唱を披露してくれた。

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 本編はこれにて終了したが,ライブはまだ終わらない。アンコールでは,出演者全員で「宇宙の歌(Million Onion Hotel)」を歌い,最後の最後まで温かい雰囲気に包まれながらライブは幕を下ろした。

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■セットリスト

【杉ヤマダ洋とクール・ファイブ】
1)壊滅鉄道王の歌
2)たたり婆の歌
3)ひきこもりぎみのきみへ
4)ママゾンだゾン〜イン・ザ・ママゾーン
5)ひな祭りのお祝い
6)ポイスラのタンゴ
7)運命〜君は良いのか悪いのか?〜
8)バトルタワーのブロンソン
9)リバースイデオロギー
10)岩井のズンドコ節

【Trillion Black(谷口博史バンド)】
導入)チュウの御加護あらんかぎり(チュウリップ)
1)BLACK BIRD第1幕第1場 OPPIDUM
2)BLACK BIRD第3幕第1場 NEO LUMINA
3)BLACK BIRD第1幕第2場 NOCTE OPPIDUM
4)男やもめのセレナーデ(チュウリップ)
5)Blackhole〜来たな!ヤスダさん(Million Onion Hotel)
6)Happy Shabby Life(チュウリップ)
7)珍獣戦隊ゼツメンジャー(チュウリップ)
8)BLACK BIRD第4幕第3場 UNIVERSUM

―アンコール―
宇宙の歌(Million Onion Hotel)

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