連載
インディーズゲームの小部屋:Room#298「One Finger Death Punch」
1年ぶんの体力を使い果たして,もはや指一本動かしたくない気分の筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第298回は,Silver Dollar Gamesの「One Finger Death Punch」を紹介する。本作はなんと,左右のマウスクリックだけで遊べるカンフーアクションだ。4日間,会場を歩き回ったらブーツの底が両方ともはがれちゃったので,時間を見つけて直しに行かないと……。
つい先日,本連載の第296回で,ジャンプとキックの2ボタンしか使わない格闘ゲーム「Divekick」を紹介したが,今回取り上げる「One Finger Death Punch」では,キーボードすら必要ない。ただタイミングよく,左右のマウスボタンをクリックするだけで爽快なアクションが堪能できるのだ。これなら,今の筆者でもプレイできる! なお,Five Finger Death Punchだとアメリカのへヴィメタルバンドのことになるので,お間違いなきよう……って,さすがにそんな人はいないか。
本作は一見すると横スクロールアクションのように思えるが,主人公は基本的に画面の中央から移動しない。敵のほうが画面の左右から次々と攻め寄せてくるのだ。主人公の左右には攻撃可能なエリアが設定されており,この範囲内に敵が侵入してきた瞬間,それに合わせて左右どちらかのマウスボタンをクリックするのだ。タイミングを逃して敵の接近を許すと逆に攻撃を食らってしまうので,敵を近づけないよう,片っ端からやっつけていこう。
灰色の敵は攻撃を一発当てるだけで倒すことができ,連続して仕留められるとかなり爽快。状況に応じて変化する攻撃アクションや効果音もパンチが効いており,やっていることは単純だが,ちゃんとカンフーアクションを満喫できるのが驚きだ。ただし,いい気になっていると,一撃では倒せない青や緑といった色付きの敵が現れるので油断は禁物。青い敵は,こちらの攻撃をひらりとかわして反対側に回り込んでくるので,しっかり動きを見極めよう。
また,王冠マークが付いた敵はさらに強敵で,これと戦う時はまるでリズムゲームのように,右クリックを3回,左クリックを4回……といった具合に,画面上から次に押すべきマウスボタンの表示が落ちてくる。おぬし,なかなかやるな……。だが,主人公は敵が落とした武器を拾って使うことができ,こうなれば形勢逆転。素手の時は複数回攻撃しないと倒せない敵を一撃で仕留められたり,遠距離攻撃できたりと,一時的ながら敵を圧倒できる。アチョー!
さらに,ゲームを進めると主人公が新たなスキルを習得し,敵の攻撃を一度だけ弾いたり,武器の使用回数が増えたりといった,さまざまな効果が得られるようになる。スキルは20種類以上あり,この中から最大3つを自由にセット可能だ。主人公も敵も,ただの棒人間なので,スクリーンショットで見ると何だか残念な感じがする本作だが,実際にプレイしてみるとこれが想像以上に面白い。価格もたったの1.99ドルとお手頃なので,興味を持った人はぜひプレイしてみてほしい。本作の製品版はDesuraにて発売中だ。かなりオススメです。
■「One Finger Death Punch」公式サイト
http://www.silverdollargames.com/ofdp.html- この記事のURL:
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